せんくつにっき

思うこと、感想、とかとか

僕の心のヤバイやつ感想『僕は弱音を吐く』

・家族ぐるみで市川を元気づける回。最高。オデコウイウノダイスキ。なお、この「家族」にはすでに山田も含まれているということは市川京太郎以外の共通認識でよろしいでしょうか。

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・疲れてる京太郎には山田ぶつけとけば解決するという判断、あまりにも的確。天才。さすがおねえ。さすおね。さすおねなんだけど、この判断により両親にも交際のことがほとんど確定の事実として伝わっちゃったんじゃないですかね。だからなにではないですし、とっくのとうに勘付かれててもおかしくないけどさ。

 

・私立落ちたあとの、中学に入学したての市川って、まず間違いなく今回より良くない状況だったと思うんだけど、きっとその時も今回と同じように、おねえも両親もそれとなく市川を元気づけようとしたんじゃないでしょうか。市川がなにも言わなかったとしても。で、そのおかげもあるのかないのかわかんないけど、少なくとも二年にあがるころには普通に学校には行くようになったし、成績も好調。一方で友達はいないようだし、学校はつまらなそう。心配が無いわけがないけど、それ以上のことは出来ない。私立受験に落ちた市川に対するケアはそういう結末になっていたわけで、だからこそ、そんな状態から市川を引き上げてくれた、友達になってくれて、学校を楽しいと思うきっかけになってくれた(おねえや両親の視点ね)山田に対する感謝や信頼って結構大きいのかなって思うし、今回の「山田ぶつけとけば解決するやろ」って判断もそれらが背景にあるんだと思うと、こう、いいですよね。(結論の語彙がカス)

 

・ところで、おい3回目だぞどうなってんだ。ニンニク背脂このやろう。喉元まで出かかった喝采をあと何度飲み込めばいいんだ私は。なんだろう、ここまで「未遂」を重ねたら1回くらいは「やってる」判定になってもいいんじゃないですかね。ならない? そう……。まあ、付き合うまでの間でもそこそこ告白キャンセルしてたし、今更の話でもある。次に出る巻の収録範囲内でそこまでこぎつけるでしょう、きっと。……このペースなら、十何巻まで行けば「SAGA」もあり得るか……?

 

・あり得るか……?じゃあないんだよ。そろそろ頭っからいきましょうか。個人の感想です。

 

・疲れの見える市川京太郎。重症ですねこいつは。市川家女性陣の心配そうな表情はレアじゃないですかね。おねえの横顔、顔が良い。なお、「冷やし中華にマヨネーズ」の可否に関しては、私はあらゆる食べ物の中でマヨネーズが1,2を争うくらい嫌いなので、圧倒的に否です。このトラップをかけられたらキレ散らかす。

 

・デコ出し市川。かわいいんだけど眼がヤバイし、「思考がめんどい」はもっとヤバイ。そのおでこも無意識ってんだからいよいよですよ。限界社会人じゃないんだからさ。なんだって青春まっただ中の若人がこんな眼に合わなきゃならんのだと学歴社会にもの申したくなってきたりこなかったりするけど、市川はこの努力を経て合格したという事実と自信を求めてるのだから、しゃーないですね。

 

・新妻……間違えた、山田登場。謎に手に持ってる菜箸(仕上げしかしないのになんでもってんねん)は新妻感すごいのに、そこそこ遅い時間だろうと関係ないとばかりにキメた私服からはハシャいだ彼女感が漂い、頭がおかしくなりそうだ。ただただ山田は市川のことが大好きすぎるという当たり前の事実が伝わってきてニコニコしてしまう。

 

・山田の手料理ならと大人しく席につく市川。お前はお前で山田のことが好きすぎますね。好意を隠すつもりが微塵も感じられないが、山田のほかにおねえしかいないからいいだろってことなんでしょう。市川母はさくっと退散してる。にしても、その、お前も食うんかいってのはもう置いとくとしても、山田の方の盛りが地味にやばくないですか。にんにく背脂といい、大食いの方も隠すつもりがないと見た。居酒屋ですでに披露してるからかね。

 

・人生で1番大切なもの、イス。たまに出てくりゃこれなの、市川父のキャラがわかんないよ。そんであのね……大正解です。流石大学教授(だったよね?)。今の市川が一日の何分の一を自室の椅子に座って過ごすかは知らないが、家でも勉強をしている以上、起きてる時間の1/10以上は固いだろう。であれば、椅子をより良いものにしない理由がない。似たような理由で寝具も大事。これ僕ヤバの感想か? じゃあ気を取り直して、市川ならゲーミングチェアとか欲しがりそうなところを、勉強目的であればこっちだろうとそこそこにちゃんとしたオフィスチェアをチョイスするの、間違いなく良い父なんだけど、おそらく市川の意向は特に聞いてないだろうし(今回は市川が「言わない」という状況だし、疲れてるにせよ受験に前向きだから選択として正解だが)、そうやって与えられたものの「間違いのなさ」はたまに子供にプレッシャーになりそうだな、と感じました。

 

・市川のぼやき。「僕だって」のコマの顔がかっこよすぎませんか。疲れと、優しさに触れた緩みで湧き出た本音。本音の吐露もそこそこ回数を重ねてきたが、「どいつもこいつも」的な、この手の悪態的な本音を山田の前で吐き出すのはだいぶと珍しい気がする。続く言葉は良い子過ぎて泣けてすら来るが。

 

・送り迎えや勉強のアドバイスはありがたいし、求めているものでもあるけど、そうまでしてもらってなお落ちてしまったときのことが怖い。この辺の心情は、一度落ちてしまったという過去があるだけに、想像が真に迫ったものになってそうですね。そして、過去の失敗は根拠のない全能感からの慢心によるものだったと言い訳はできても、今回はそれを踏まえた本気の挑戦なのだ。

 

・背後から添い寝山田。やべーぞ! この手の冗談はノルマみたいなみたいなものなので置いといて、この一連のセリフの中だと「勝手に落ちこんで」が特に好きですね。長々としたモノローグの末に自己完結気味に落ち込んだりあまつさえ距離を取ろうとするというのは市川が頻繁に見せる行動で、それを好意からの妄信で「思慮深い」みたいにプラスにだけ捉えるのではなく、「勝手に落ちこんで」と、拗ねのようなものがちゃんとあるって事実と、それを「文句ばっか言って」とあわせてこの励ますタイミングで冗談めかして示す気安さがすごく好き。

 

・それが山田杏奈の好きな市川京太郎。自分を守るようにどことなく身を丸くする市川を、愛おしそうに後ろから抱きしめる山田。名画。ちゃんと過度な接触は控えてるのも、2人の間の約束ごとを大事にしてる感じがしていいですね。

 

・弱音や不安を伝えてもらえない不安や憤り、伝えてもらえる安堵。どちらも知ってるはずなのに忘れてしまってた。なんで忘れてたんだろうってことは思い出したってことで、思い出したのはその瞬間で、あのときは告白までいったが、じゃあ今はってなるとそりゃキスまっしぐらですわな。なんか、なんにも言わずに振り返って顔近づけてるので、冷静になると状況としてちょっと面白いですね。「直前」の市川の顔がイケメン過ぎるのも含めて。もちろん励ましの言葉が市川に伝わったってことくらいは言葉がなくとも山田もわかってるでしょうけど。

 

・ニンニク背脂キャンセル! ちくしょう! 確かに初めてがニンニク味のキスってのはちょっとだいぶイヤかもしれないけどさぁ! 受験はともかくここは余計なこと考えなくていいタイミングだよ! そろそろ山田も怒りますよ。冒頭にも書いたが三回目でしょこれ。

 

・おねえ登場。危機一髪のタイミング。おねえの方がね。弟とその彼女の「マジでキスする5秒前」に乱入してしまうの、間違いなく一番の被害者はおねえなので。元気になってくれたのは嬉しいが、元気になりすぎて自分がダメージを食らってしまう。

 

・問題の歌詞。なんかもう、この件に関しては転がるように愉快なほうに展開が進んでいきますね。どうにかしようとするたびに事態が悪くなっていくので、たぶんこの市川の行動も裏目に出ますよ。裏目裏目の市川と、またしてもなにも知らない山田杏奈。山田が不憫で笑えて来ますね。というか交際をおねえに報告した時に「あの歌詞は~」って言っときなさいよ市川も。

 

・次回はまさかのライブ編ふたたび。おねえボーカルなんすね。えぇと、山田の告白の言葉をおねえが歌詞としてアレンジし、市川がさらに書き加えて完成した歌を、おねえがライブで多くの人の前で歌うと。なんだその状況は。迂遠でネジくれたイチャラブにおねえおよびバンドメンバー、ライブハウスのお客さんたちが巻き込まれるってことでいいんでしょうか。うははは、地獄だ。楽しみですね。変に山田が傷つかなければなんでもいいです。じゃあ、そんな感じで。