せんくつにっき

思うこと、感想、とかとか

僕の心のヤバイやつ感想『僕は自覚が足りない』

・オチにクソ笑ってる。まあオチというか導入というかなんだけど、この漫画はいったい何回「導入」をやるつもりなんだよ。学校での全パターン網羅しようとしてんじゃないだろうな。

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・こう、久しぶりにこういうこと書くんだけども、山田の今回のこの追い詰め方、故意でこうしたにせよ成り行きでこうなったにせよ、あまりにも捕食者として強すぎませんか。さみしいので個室に連れ込み、鈍感な態度に拗ねてみせて相手に引け目を感じさせ、それが抜けきらないうちに即座に身体接触のハードルを下げることを同意させ、間髪入れずに実行に移し、キスの直前までこぎつける。流麗すぎるコンボ技。で、まあ頭じゃ故意かどうかわかんないって書いたけど、十中八九天然じゃないですか。その場その場の乙女心の赴くままに動いたらこうなったって感じじゃないですか。じゃあもう無理だよ。止めようがないよ。

 

・この、過度に遠慮していろいろ心に押し込めてたかと思いきや、ふとした瞬間に線を越えそうになり、また変なところで急停止してしまうという、アクセルとブレーキの初恋らしい不安定さに永遠にニコニコしてしまう。最高。それはそれとしてAくらいはいっとけよという気持ち。この表現の仕方は古いか?

 

・そんじゃまあ、頭っからいきましょうか。個人の感想です。

 

・ギャル山田お披露目。その、萌子と祝福女はまあ明るいっつっても常識の範囲内での茶髪だからはっきりした金髪に憧れを持ってんだなって理解したんだけど、その、半沢さんはあなた同じくらい明るいのでは……? 

 

・仕事があるからってことで染髪の許可は取ってるけど、金髪で制服も着崩してってのはあまりに不良に見え過ぎちゃうから、リボンくらいは結んどかないと……に加え、前回の「大人になりたい」も大なり小なり関係してそうですね。細かいところでかわいらしい。

 

・君オク、ギャルのお相手は関西弁温厚眼鏡元極道教師。ギャルがお相手なので未成年淫行も付きます。……盛りすぎでは? 何話か前、山田のオーディション結果が発表された回で、君オクのサブキャラ達のビジュアルがふわっと公開されたとき、ギャル(みりあ)はこの眼鏡とのカップリングがしっくりくるなって思ってたんだけど、そのときこの眼鏡の属性はざっくり生真面目眼鏡くらいにしか捉えてなかったもんで、まさかの盛りに狼狽してますよ。いや、作中作のさらにサブキャラの属性に動揺してどうすんだって話ですが。濁川くんの「俺もそう思ってた」はどういう立場の言葉なんですか?

 

・キス、ハグ、半裸。淫行!!淫行です!!!条例でしょっ引きます!!!えっちなのはダメ!!! 死刑!!! 最後の半裸は覚悟キメたギャルから自発的にっぽい雰囲気だけど、前の二つは見るからに淫行眼鏡がリードしてますからね。許されてたまるかよって感じだ。さすが人気少女漫画、ロックの魂はまだここにある。ルシファーはデカくなってんじゃねえよ。

 

・冗談はさておき、市川の懸念。ドラマの中の山田の役にも、こんなシーンがあったら。さすがに制作陣も中学生にそんなことさせんだろとは思うけど、それは今このときだけの話で、今後、山田が女優として活動を続ける限り、この「どうしよう」は存在し続ける話だ。

 

・これに関しては仕事のお話なので、あまり軽々に「やめてほしい」とは言えないって市川の気持ちはわかるが、そもそもそういえば市川の方から「他の男と仲良くしないでほしい」みたいな話を山田にしてなかったよな、と、ふと思った。バレンタインのときに、義理を配るのを止めたらって言ったときくらい? 付き合ってからはなかったよなたぶん。山田からは「ご飯はいいけど遊びはダメ」ってのはあったけども。この辺も「自覚が足りない」の一つなんかな。それを言ってもいい関係になったって自覚がなく、相手を困らせるのはよくないって遠慮を抱き続けてる。困らせればいいのだ。彼氏彼女なんだから。これはお互いにだが。

 

・思いにふけるあまり、山田をスルーする市川。あぁこれはいけません。自覚が足りませんねぇ~。実に足りません。誘拐のち監禁もやむなしといったところ。……言うほどやむなしか? 冒頭でこの辺からの山田の行動を「乙女心の発露」みたいにかわいらしく表現したけど、ここだけはちょっと違うんじゃないか? 腕ひっつかんで狭い場所に連れ込み閉じ込めるのは果たして「乙女心」でくくっていいものなのか? 見ろよこの扉を後ろ手に閉めて通せんぼするこの姿。入ったときは山田が先なのに、ここではもう市川が億ですよ。放り込んだってことですからねこれ。無事に帰れるビジョンが見えない。あっけどこのちょっとムッとした表情はかわいいわ。これはもう完膚なきまでに恋する乙女で間違いないですわ。ツラがいいってのは得だなおい。

 

・久しぶりの備品室。アニメで最近見たから久しぶりって気もしないか。この、座るときに市川をズッて若干ぞんざいに押し込むのが距離感の近さを感じさせてとても良い。

 

・「なんか……大事な話……?」。……、“これ”は本来山田の台詞で、山田は“これ”を言わないことを選んだのだから、私がどうこう言うことではないが……大事な話がなきゃ話しかけちゃダメだってのかよえーーっ?!このクソボケがぁーーっ!! 「なんもないよ」がちょっともの悲しい。

 

・「京太郎は自覚が足りないね」。うわははは、カレカノみたいなやりとりしてる。最高。彼女が軽い不満でプスって刺して、彼氏が脂汗をかく。こういうのもっと見せて。甘いの10にこういうの1くらいの割合でちょうだい。関係についての不満や不安、なんでも口に出せば良いってもんでもないのだろうけど、胸に押し込み続けるのは絶対に違いますからね。そういう意味でもどんどんちょうだいって気持ち。

 

・「付き合ってても勝手に~」。どした?急に口数多くなるじゃん笑。どしたもなにも、要約すると「もっと触れ合いたい」「市川から触るのがダメだと自分からも触りにくい」「市川の好きなときに触ってもいい」だけど、そんなの素直に口に出せるわけないですからね。そりゃ誤魔化すように饒舌にもなる。みなさいよこのとぼけた表情を。「ちょっと窮屈かもというか……」を。かわいげの塊がよ。

 

・平等な提案。平等……平等か? 平等なのか? 平等で良いか。平等!! ということで「山田が触ったところは市川も触っていい」が制定されました。大丈夫? 今日一日で全身余すとこなく「触っていい」にさせられない? さすがに冗談ですが……。

 

・まず頭。このさ、ぶっちゃけ付き合う前からこれくらいの接触はやってた(それこそアニメで最近やった、雨の中忘れ物を届けに行く回ではハンカチで髪を拭いたりしてた)のに、ついさっきの「山田が触ったところは市川も触っていい」って約束事のおかげで、途端に湿度がガンガンに高くなるの、ちょっと天才すぎませんか。

 

・「今がいい」。ほんとにこの男は……。大丈夫? 最初は「山田が触ったところは市川も触っていい」なのが、最初からこんなことしたせいで「山田が触ったところを市川はすぐさま触りかえさねばならない」に変容してしまわない? 大変なことになりますよそれは。

 

・頬。ここの丸々ページの、「至る」までの山田の表情の変遷が、特に頬に触れられる前後の違いがすごくいいんですよね。触られる前は市川を伺うような表情だったのが、触られた瞬間になにかに驚いたような、あるいは気づいたような表情に変わっている。「覚悟」を決める一瞬前をこれ以上なく微細に、繊細に切り取っているのだ。強すぎ。淫行教師の淫行シーンが挟まったのはちょっと笑うけど。

 

・市川てめえこのバカヤロウ!!!!!!!!!!!!!! こんな、もうすぐそこまできといて……バカヤロウ!!!!!!!!!!!!! 失礼、大声が。こんなに感嘆符連続させたの初めてですよ。あんまりやるのわざとらしくて好きじゃないんですけど、これに関しちゃ心の根からの叫びだ。

 

・というか山田が「下」じゃん。顎上げる側じゃん。こんな、そうそうないシチュで市川ほんとお前……まあいい。「そうそうない」なんてことはないので。

 

・「ダメじゃないけど……!」。そうか、なに言ってんだお前? いやまあわかるけども、「今」「ここで」そこまで行くのは本意ではないが、じゃあ「ダメ」とはっきり言ってしまうと市川のボケナスはたぶん向こう数年レベルで触ってくることがなくなるし、じゃあ「今じゃなくて」などと言うのも「その時」を想像してるようであまりにもはしたないという。

 

・ドアノブくんが壊れた! 「出られない部屋」じゃん。世界が2人を後押ししてんじゃん。冗談はさておき困った状況だ。助けてもらうにも勘違いとカレカノバレが怖く(いや、キスしようとしてたんだから勘違いもクソもないけど)、こういうときに頼れるのは萌子、原さん、あと神崎だが、逆に言えばその3人に連絡が付かなければほぼ詰みである。なんだったらその3人にすら、密室での逢瀬なんかバレたくないだろう。実際問題、ノブがあったところに指つっこんでガチャガチャやれば空くんじゃないかと思うけどね。扉も向こうに開くんだし。あと窓。作劇上、あんまりそんな無体なことしないとも思うが。

 

・ところで、山田の不満から山田が備品室に連れ込み、山田がわたわたしたことによりドアノブくんがお亡くなりになり、結果として閉じ込められてしまうという、行動だけ見れば全部山田の責にできてしまうのですが、そうやって市川に迷惑をかけたことを山田が心に病む、みたいな展開があるんでしょうかね。そこが気になってるというか、最後の山田の表情にすでに自責の念を感じてちょっと怖いのだ。電車を逃したときやわんたろうを無くしたときと似た表情に見える。思い過ごしだったらいいけども。というかそれこそわんたろうのとこでやったしね。

 

・とりあえず以上。ひさびさに日の高いうちに更新できたな。仕事がほんのちょっとだけ落ち着いたので、しっかり僕ヤバを吸収、感想を放出できる。人間持つべきものは余暇ですよやっぱ。じゃあ、そんな感じで。