せんくつにっき

思うこと、感想、とかとか

僕の心のヤバイやつ感想『僕は楽しみ』

・「僕は楽しみ」ってよぉ、こんなに牧歌的で微笑ましい、市川の素直な吐露が笑顔をくれる最高のサブタイトルだってのによぉ、なんだって涙で〆なんだ先生よぉ……。

mangacross.jp

・それもさ、その涙の原因ってのが他ならぬ「僕は楽しみ」にあるわけじゃないですか。林間合宿には楽しみをなにも見いだせなかった市川が、自意識においてもすぐに認めた「修学旅行が楽しみ」って気持ち。「理由」の方は後ろの方で書いたり書かなかったりするつもりだけど、「原因」は市川のその気持ちに山田が気づいたところにあって、それがもう……ね……。

 

・もう少し言えば、電話を繋いでから何度も山田が「修学旅行に行かない(行けない)」ってことを伝えようとしていたのに、それらは全部市川の言葉によって遮られてしまってるってとこもウぅってなるんだよな。というのも、たぶんだけど「気づく」前に行かないってことを山田が伝えられてたなら、少なくとも黙って一人で目標を諦めて涙を流すってことにはならなかったわけじゃないですか。けどその道は市川の気遣いの言葉で遮られてるんですよ。ここまで関係性が進展しなければ出なかったであろう、様子のおかしい山田に対する気遣いの言葉。それが結果的に涙に繋がってるのだ。

 

・ダメだ、疲れてるし時間もないのに、ほっとくと延々と最後の数ページを擦ってしまう。ついでに言うと、急に投稿された米津玄師の『Kick back』のMV見て大笑いして、そんで最後の数ページ見て胸が重くなってとしてるせいで情緒が迷子になってる。さっさと頭っからいきましょう。個人の感想です。相当駆け足。

 

・通学路でペヤングを食す怪人もとい山田。男子学生でもようせんわ……と思ったけど、最近はコンビニにお湯を置いてる確率が高くなってきたように思うし、意外とハードルは低いんかな。どうでもいいか。

 

・そんなことより衣替え。学ランを脱ぎながら山田のスカートをつまむ市川の図がやりたかっだけだろおい。とんだ予告詐欺だ。スカートの生地の違い云々は、夏の時期によくのりお先生がTwitterに投下する山田の一枚絵のおかげで読者諸兄はよく知ってますね。

 

・ご機嫌山田。オーディションのことなんでしょうね。一番の親友である小林はどうやら知ってるあたり、こう、この時点で二人が交際関係にあったとしたら、市川も知ってたかもだし、となるとまたちょっと変わってたのかなって考えてしまう。いかんですね、どうにもあの涙が流れない道はなかったのかってところにばかり頭が向かう。まだ一連のストーリーは始まったばっかだっていうのにね。

 

・『GWも結局なんもなくて』……ホントか? 雨の日デートのツイヤバとかあのあたりっぽかったぞ? なんもなかったとかいいながらデートのひとつやふたつやみっつやよっつしてんじゃないのか?

 

・修学旅行。山田の表情がね、もう……いい絵を描くなぁ! 真ん中左で山田が見てんのはスマホか? 相当気合が入ってるオーディションの日付を間違えて覚えてるはずはないと自分でも思ってるけど、反射的に確認せざるを得なくてスマホを見るこの感じ、リアル。

 

・山田(男)、4年越しの初登場。序盤で一番好きな保健室回で名前だけ出てたからよく覚えてる。野球部とのことだが、お前絶対キャッチャーだろ。ところで、作中1、2を争う奇人である神崎君に「なにしてんのお前」的な表情されるの、断トツで腹立ちません?

 

・夜。黒歴史の大きな一端である行かなかった林間学校のしおりを見ても少し自嘲するくらいで、すぐに初キスだのそれ以上だのに考えを巡らせる市川は、これは「楽しみ」通り越して「浮かれてる」とすら言っていいだろ。班決めの誤爆といい。というかキスだのなんだのよりまずは付き合わんかい。

 

・とか言いつつ、かつての苦い思い出を一蹴できる程度に成長してるってところはとても健康にいい。少年少女の成長は心の糧ですね。「なんでとっといてるんだか」なんて、自分でも理由をわかってて、そのうえでの苦笑じゃないですか。大人になったなぁ。

 

・着信あり。何時だかわからないが、結構遅い時間らしい。掛けるのをずっと逡巡してたのだろう、たぶん。つまり市川が残念に思うであろうことはこの段階でもある程度は分かっていたということになるのだが、自分が修学旅行に行けないって悲しみもあるだろうに、そのうえで自分の感情ではなく市川のことを想って連絡を躊躇ってたってのは、その誠心がまぶしくてたまらない。

 

・あとは、学校の一大行事を「仕事」で不参加にする自分自身が、まるで学校のみんなや市川を置いて行ってしまっている、あるいは離れてしまっているようで、不参加を告げることはその離別を自ら肯定してしまうようで……って躊躇いもあるんじゃないかと思ったり。

 

・なんかこいつら当たり前のように最初っからビデオ通話にしてんな。危ない、スルーするとこだった。いやツイヤバでは何度も寝落ち通話みたいなのしてたからいまさらっちゃいまさらだけどさ。最近の若い子ってこうなのか? パケ代気にならない? パケ代って死語?

 

・様子のおかしい山田…に気づく市川。ここの山田の反応がいいですよね。気遣ってもらって嬉しいな優しいなって気持ちと、同時にこんなに優しい市川ならきっと大丈夫だって背中を押されたような気持ちが湧き、途端に饒舌になってる。素直でかわいい。直後があれだが。

 

・気づく、枕元のしおり。修学旅行はともかく、林間学校もあったのが致命的ですね。市川が林間学校に行かなかったって事実も、その理由も山田は知っているから。そして理由を告げたときに、山田がいるから学校が嫌いじゃなくなったってことも聞いていて、だからきっと山田は。

 

・そういうことなので、この山田の決断も、市川の成長と同じく積み重ねの結果なのだけども、涙がこぼれるのはどうしたって悲しい話だし、これは若者に対する大人の無責任な感情だが、なにひとつたりとも諦めないでほしい。夢も目標も市川も。

 

・先の話をしてもしょうがないけど、この山田の決断を市川はどう思うのかってところだが、まず間違いなく良くは思わないだろう。相手のことを自分のことより優先したいのは、市川だってきっと同じだ。

 

・色んな大人と仕事をしていて、必要とされていて、お給料をもらっていて、そんないち学生からしたら遠い世界にいる山田を見て、釣り合わないという苦しみを持ってなお、市川は「山田が普通の中学生だったら、それを選ぶ山田だったら、こんなに好きになっていない」という答えを持っている。言ってしまえば、「夢に向かう山田」はすでに市川にとって「自分のこと」になっていて、それを山田に理解させればいいのだが、やっぱ言葉しかないですよね。そのまま言えばいいのに。

 

・ところで、これは二人が付き合ってイチャコラしているさまを一刻もはやく見たいオタクによる放言なのだが、今回のエピソードのテーマであり、ストーリーを通して解決すべき障壁として横たわっている「山田の仕事」だが、これが解決したら、正直あとはもう付き合うしかないように思うんですけど、どうなんでしょう。

 

・諏訪さん再登場すんのかな。市川の存在が仕事の支障になったら出張ってくるって言ってたけど、今回のこれはモロにその状態だ。山田が市川に連絡する前に日程被りとオーディション参加の意志を伝えていて、電話を経て撤回を伝えていたなら、なんかあるなと察してもおかしくないのだが。

 

・次回のチラ見せコマ、なんか山田がリボン結んでるし、「鹿とスパイと新幹線」だし、え、まさかもう出発してる? 新幹線の中か? マジでオーディションに行かないってことはないと思うんだけど、どうなるんでしょう。

 

・じゃあ、こんな感じで。