せんくつにっき

思うこと、感想、とかとか

僕の心のヤバイやつ感想『僕は何を言っているのか』

・今回かなりギャグが冴えてるなーとか思ってたら最後で爆笑してしまった。勢いがすごい。ずるい。

mangacross.jp

・いやマジで滅茶苦茶面白いな今回。起承転結で言えば承と転にあたる回だと思うのだけど、やたら愉快な神崎くんやら変化についての市川の思い、そんで最後の怒涛の2コマで満足感がすごい。大好き。今でこれなら次回どうなんだよ。

 

・好きポイントが多すぎて感想がまとまらない。ので、いつもの冒頭のやつはほっといてさっさと頭っから行きましょう。個人の感想です。

 

・「ね」。「(私と違って原さんは可愛いよね。私と違ってね。市川が可愛いって言うのも仕方ないよね。私は一回も言われたことないけど)ね」じゃん。予告で何度も見たけども、この潤んだぐる眼が可哀想で可愛い。心にひびが入っている。クソボケ市川は頑なに可愛いを自分にだけは言ってくれないものね。そんでこの「原さん可愛い~」の空虚さよ。「ね」を出すためのコンボパーツじゃん。

 

・「私には原さんみたいな女の子らしい可愛さが少ない」という想いが山田の裡にある(いつぞやのツイヤバ)ので、可愛いを奪われて一番辛い相手なんじゃないですかね。原さんは。辛い出来事、理不尽や理解の外で起きると反発心が生まれてダメージが弱まるのだけど、納得できてしまうと反発も起きず、無防備な心をダメージが襲うので。

 

・「パァァ」じゃないんだよ市川。嫉妬よりもうちょっと辛そうな顔をしてるだろ山田は。お前はさっさと弁明および「可愛い」を繰り出さんかい。いやけどこのタイミングでのそれはわざとらしいからナシか?……けど山田だしな……市川が素直に「帽子をかぶった山田を想像して可愛いと言ったんだ」って言えばちゃんと受けとめてくれる気もするな……。

 

・人殺しの眼.Ver神崎。怖いよ。前の感想記事で「職業訓練回のほかにも嫉妬した神崎を見たような気がする」って書いていて、その時イメージしてたのがまさにこんな感じの眼をした神崎なんだけど、なにを探しても人に聞いてもそれらしいのはなかったのでどうやら勘違いでしたね。6巻収録分でもなかったもの。

 

・フォローにまわる原さん。流石ぬくもりの人。めんどくさいカップル同士の事故に巻き込まれて可哀想だという気持ちしか起きません。

 

・フォローを受けてる山田の表情が味わい深いですね。P2右下の微妙な笑顔と、P3右上の市川から原さんを引き離す手。後者の解釈がまた私の中で別れている。ストレートに距離の近さに嫉妬してるのか、いじましくもフォローはもういいよと諫めてるのか、神崎くんの嫉妬を抑えるためか。一番最後ならフォローのフォローをしてる感じで非常にややこしく、好み。

 

・スイパラ。神崎くん、つるんでるのが足立とはいえクラスでの評判もいいし、性癖が多少ネジくれてるだけでマジメでさわやか寄りなのかと思っていたら、思ったより愉快な人格だった。まあ両立しますがね。マジメでさわやか、かつ愉快。「同意を」からの一連のやり取りは市川にとっちゃ理不尽極まりないが、これで合流時のやらかしの禊になるなら安いもんじゃないですかね。

 

・スイパラなのにケーキ一個の原さん。やせ我慢にもほどがある。山田が赤面してるのはこれたぶん「原さんも一個だけだったら私がめちゃくちゃいっぱい食べてるみたいじゃん」ってことなんだろうけど、8個は普通に多いほうだろ。甘いものそんなに好きじゃないからわからないが、食べる人はそんくらい普通なのだろうか。なんもわからん。

 

・神崎くんが山田も誘った理由。なるほどですね。我慢しなくていいよと気を遣ったと言えば聞こえはいいし、痩せようとしてる女の子にあの手この手で飯を食わそうとしてると言えば邪悪に見える。物は言いよう気の持ちようなので、結局は原さんがどう感じてるか次第だが、どうも「神崎くんからの好意に素直に応えらない自分」に対する自己嫌悪を発動してそうだ。太ってる自分が好きじゃなくて、だからそれを好きだと言ってくれる神崎くんをそれでも信用しきれず、そんな自分がまた好きじゃないみたいな。6巻のあとがきに「自分自身を認めてあげて初めて人からの好意にきづく」という金言があり、これ自体は市川を指した言葉なのだけど、原さんも一緒なのかもしれないですね。

 

・親密な関係における微妙なこの噛み合わなさ、参考にするかはともかく興味深いところなはずなのに、市川は自分から話を促しといて心底興味なさそうに「ふぅん」とか言ってるし、山田はさっさとケーキがっついてるし、なんじゃこの二人は。特に市川がひどい。なんだその顔は。「神崎くんが山田を誘った理由」が別に山田目当てとかじゃなかった時点で興味を失ったのだろうか。それにしたってももうちょっと取り繕いなさいよ。

 

・衒いもなにもない可愛いを毎分発射する神崎くん。学校でもその調子が変わらないってのも含めてすごいですね。それが出来なくてめんどくさいことになってる人たちがいるんですよ。神崎くんには信じられないかもしんないけどさ、しかし一般論においてもどちらかといえば神崎くんのその精神性は少数派だと思いますよ。それにしても、毎分「可愛い」と「好き」を撃ち込まれてもまだ陥落してない原さん、この子はこの子でめんどくさ……じゃなかった、ええと、難儀な性格ですね。はやいとこほだされてしまえ。

 

・「いいな………」。秒で闇落ちするのやめてくれ。笑っちゃうから。ところで、ここで市川が気まずそうにしてるのがすごくイイですね。山田からの好意に気づく前であればなんのことやらでどこ吹く風だったろうに。気恥ずかしさだかなんだかしらないが、今までことごとくスルーしてきたツケが回ってきている。ひとつひとつ思い出して反省をしろ反省を。何度仕掛けられてきたと思ってんだ。

 

・「変わりたいって気持ちを否定するべきじゃない」。急にいいこといいますね。原さんの葛藤にクリティカルヒットだ。神崎くんの返答も含めて、この作品のこういうところが好き。自己嫌悪由来でも、変わりたいという思いは否定しないし、一方で変わる前の、今までの自分のことも否定しない。原さんは太っている自分が嫌いなのかもしれないけど、その原因、つまり食べることが好きな自分がいなければ神崎くんと親密になることもなかったわけで。

 

・山田に可愛いと言ってこなかった引け目で下げてた顔を、「変わりたくてここまで来た」で上げるとこも好き。山田は山田で「私の彼氏はいいこと言うなぁ」みたいなツラしやがって、まあ彼女ヅラはいつものことか。

 

・変わりたい原さんに、変わらない好意を伝える神崎くん。あまりの爽やかさに目が潰れそうですよ。自己否定ガールに包容力系爽やか男子をぶつけて……これは健康にイイ……。

 

・なにやらこっそり示しあう山田と神崎くん、を訝し気に見つめる市川。ここの市川かっこよすぎませんか。可愛い系のくせになんだかんだ影のある表情が似合う。

 

・女子の支度を待つ男子’s。ここ! ここの自覚しながらも秒で自分を棚にあげてバチバチに嫉妬しだす市川が最高!! 独占欲の塊がよ。市川からしたら、合流前に原さんと二人で行動してたときに自分は一応「大丈夫かこの状況……」と意識していたのに、神崎にはそんな意識がなさそうだし、山田は山田でなんで付き合ったんだよと、なかなか理不尽かつ狭量な苛立ちを覚えてるわけです。最高。

 

・「山田は俺のだ」。ハーーーーー!!! ハーですよハー。「俺の」て。山田が聞いてるとかそんなの関係なしに言葉を選ぶべきだし、そして選ばなくて正解だったし。山田は山田でそんな後ろにぴったりついてなにするつもりだったんだよ。手くらい拭いてきなさい……いや拭かなくて正解だったけども。神様のいたずらとしか言えない間の悪さ、あるいは良さ。合流時のはこれで帳消しですってか。これ次回まともにダブルデート続行できます? とりいそぎ2人きりにしてあげてほしいのですけど。

 

・はいここまで。