せんくつにっき

思うこと、感想、とかとか

僕の心のヤバイやつ感想『僕はチョコをもらった』

・ぜ、全部繋げてる・・・・・・! ツイヤバでもうやったとこを実際問題どうすんだろと思ってたのだが(ツイヤバを正史にするのかどうかも含み)、まあ正史にするならこういうカタチになるか。

mangacross.jp・にしても懐かしいな→チロルチョコ将棋。あれから2年以上経ってるのか。未だにツイヤバのなかではトップクラスに好きな話だ。いろいろ考察もした。たしかまだ本編では市川に対する山田の気持ちが読者からも不明瞭だった時期(直前の本編はKarte22の雨合羽回)に投下されたツイヤバで、なかなかに惑わされた記憶。節分やらの時系列的に近そうなツイヤバも同時期にはあったけど、どれも「すごく距離が近い」状態でしかなく、チロルチョコ将棋ほど山田の好意が目に見える形で表されたのは、たぶん初めてだったんじゃなかろうか。

 

・本編合流に伴い追加された山田の「今だよ」がむちゃくちゃ好きだな。「その手があったか」を「今」言ってほしい。つまり気づいてほしい。変なゲームはチョコを渡すための口実でしかないということに、口実を使ってまでチョコを渡したその意味に、想いに、「今」、市川に気づいてほしい。山田、どうもあの場で告白されることまで考えてた節あるな。どうなんだろう、少なくとも山田の中ではそこまで気持ちが盛り上がってようだけど、この勢いだと3年生になる前にカップル成立してんじゃねえのか。

 

・にしても山田、健気だしズルいですね。ちゃんと手づくりのチョコは用意してる(はず)なのに、足立の「男はチョコならなんでも勘違いする」を聞いた途端、(表現が難しいが)伝わる好意が手づくりよりも少ないチロルチョコ将棋とかいう小細工で勝負をかけてるのだもの。ズルい。もともと用意してたのかも知れないけどね。

 

・次回もツイヤバに沿うのなら、帰路においても山田は用意したチョコを渡せないということになる。あれだな、これはエスパーだが、一日は長いみたいな台詞もあったし、日付が変わる直前の深夜に呼び出して渡すパターンだな。市川が山田を呼び出すツイヤバも最近あったことだし。あれ、ある程度恒常化してないと(それも山田からの誘いがある程度重なってないと)市川からはやらないでしょ、たぶん。

 

・前置きが長くなってしまったが、とりあえず頭っからいきましょう。個人の感想です。時間ないのでサクサクッといきます。

 

・3話をかけてフリにフリまくったバレンタイン当日。一年の教室前を何往復もする山田、なぜこの奇行に一年の目が覚めないのかが不思議だが、カリスマってそんなもんか。そんでその紙袋はお前、持参か? 大量に貰うことを前提に? 相変わらずの眩しいほどの自己肯定感。

 

・バレンタインも、市川にとっては「いつもと変わらない日」。さっすがにこの一流の強がりに騙される読者はいないが、市川が一番騙したいのは期待しそうになる自分自身なので、路傍の石であり教室の壁であり図書室の本棚である読者は間違わないように。

 

・萌子によるばらまき。ツイヤバで見たやつ。こんなもん貰わない方が逆に格好つけすぎてダサいまであるので、ハト呼ばわりは勘弁してあげてほしい。いやハトみたいなもんなんだけどさ、中学生。

 

・山田による強奪。チョコは渡さねえし、市川も渡さねえ。こっちも見たやつですね。義理だってわかってんのに奪うの、あまりにも独占欲が強い。まあ、萌子のムーブがあまりにも市川という陰キャの生態を把握したうえでのそれだったので、そのあたりで危機感が高まったからなのかもしれない。

 

・ナッツがハートだから隠れ本命・・・・・・さすがにこの勢いで勘違いするやつは見たことがないが、まあ思うだけなら自由(?)だし、直後の勘違いがどうのの会話で足立自身も無理筋だって分かってるようだし、そこまで本気ではないだろう。「(だけどホントは・・・・・・?)」を捨てきれないだけで。にしてもなんだよピュアシンデレラボーイって。よくわかんないけどDTって意味だろ。

 

・チョコを貰うだけで勘違いするのが男子。つまり市川も・・・・・・? とか考えてるのかも知れないが、市川は勘違いをしたうえで、内部でそれを思い上がりと処理する人間なので、山田の期待はかないません。というか、これまでもさんざんスカされてきたし、山田もそのくらいはわかってるのかと思ってた。鈍いだけじゃないんだその男は。まあ、わかったうえで、それでも自分に都合のいい想像を捨てきれないって話なのかもだが。そういう意味では男子も女子も変わりませんね。・・・・・・なぁにが「変わりませんね」だ、わかったような顔しやがって。

 

チロルチョコ将棋のお時間です。ツイヤバで見た。が、あのときとは読む上での前提条件がまるっきり変わっているので、わりと新鮮な気持ちで読めますね。両者の気持ちもそうだし、そもそも正史であるというのが一番でかい。

 

・「その手があったか」、市川に催促してるんだよな。「市川も言って」って。そのうえで「今じゃない」「今だよ」とタイミングを伝えてもいて、ここまでやられるとあんまり小賢しいとかズルいとかも言えませんね。まわりくどいだけでほとんど告白だもの。いやぁにしてもやっぱり「今だよ」がイイ。最高。一身上の都合により「目も合わせられない」がツボなんですよ。

 

・チロルだろうがなんだろうが「バレンタインにチョコをもらった」という事実に変わりは無くて、市川もそれを意識している。「チョコだな・・・・・・」のコマの二人の表情がいいですね。

 

・足立、今回酷い顔ばっかしてんな。

 

・気持ち伝わんなきゃ意味ない。萌子の文脈としては「本命と勘違いされないように(義理だと伝わらなきゃ)」だが、それだとチョコあげるだけで満足云々がちょっとよくわかんない気がする(義理チョコあげるのに満足もなにもなくない?)ので、ぼやきに見せた山田への助言という説もあると思います。

 

・市川拉致→逢い引きのぞき見。あんまり趣味がよろしくないというか、お前どうやってこの情報を得たんだよ山田。原さんが約束取り付けるのを聞いたとか? どうでもいいけど、ここの 「わ・・・・・・渡した・・・ッ」、ちいかわだろ絶対。

 

・「いいなぁ」。山田が原さん羨むの、やっぱ結構多いな。今回に関しては、ちゃんと渡せるその素直さ勇気さと、あとは二人の関係に対してだろうか。ん、というか、原さんと神崎、もう付き合ってんのかこれ。好意は互いに気づいてるっぽいし、あとは告白という儀式をしてるかしてないかだけだが。

 

・人のチョコをうらやむ卑しんぼ呼ばわりだの奇行扱いだの、今日の市川はクソボケ濃度が高めだ。早々に撤退しよう、じゃあないんだよ。バレンタインだぞ。

 

・原さんと神崎は一緒に帰ったりデートしたりする仲。えぇと、自覚はあるのかなこのクソボケ・・・・・・じゃなかった市川は。お前らだってそうなんだよどころか、互いの家族と距離を縮めるのまでは原さん神崎もまだだと思うんだ私。

 

・去る市川を逃がさぬように、数十話ぶりの二人乗り。そういやずいぶんとしてなかったな。一回してるんだし、山田は「一度触ったとこはまた触ってもいい」なんだから、山田が好意に気づいてからのどっかでしててもおかしくはないと思うのだけど、やっぱ気持ちが違うとお願いのハードルも違うのだろう。「乗せて」の顔、なかなか頑張ってる感じがしてとても好きです。

 

・一日は長いから、いくら二人でいる時間が長くなっても大丈夫。だからもっとゆっくり帰ろう。うーん青春ですね。目が潰れそうだ。とりあえずここまで。

 ・続き書いていきましょう。告知絵(これ告知絵って呼ぶんですね。ずっと扉絵って書いてた)は作者多忙のため、5巻カバーのミス絵を流用。市川の骨折が無かったことになってますね。球磨川禊でも通りかかったんだろうか。なんの話だ。忙しいってのは単行本作業なんでしょうかね。各種特典だの書き下ろしだの。

 

・山田が頑張る番。試作会では市川が頑張ってた(反対に山田は状況に流されてた)ので、本番では……ってことなんでしょうかね。

 

・読み返してて気づいたんだけど、しょっぱなの市川、先に行ってたのにわざと足を止めて山田と廊下ですれ違うようにしてるんですね。いくら考えてもチョコ待ちとしか思えないのだけど、あなたそんなんでよく「いつもと変わらない日――」とか宣えたな。

 

・読み返してて気づいた点、二つ目。まあ、気づいたっつうか「こうとも読めるな」なんだけど、チロルチョコ将棋のとこの「今だよ」、市川に届いてない説もあるのかな、と。拠り所が「完全に市川視点のツイヤバの方ではセリフがない」「届いてたらさすがに市川も「その手があったか」のことだとわかるのでは(意図まではわからなくとも、少なくとも「はぁ?」って反応にはならないのでは)」程度の、あんまり主張するような説ではないけど。こう、届いてないんだとしたら、それは山田も届けるつもりがない声量で内心を吐露した(メタな話、山田のモノローグがあるとしてもここじゃないだろうし)か、あるいは精一杯頑張ってもその程度の声しか出なかったかってことになると思うのだけど、どっちでもおいしいじゃないですか。

 

・モノローグは皆無だが、だいたい表情でわかる山田の内心。今回の山田百面相はかなり可愛い&美少女寄りでしたね。いえ、いつも美少女ではありますが……こう、可愛いにも2種類あると申しまして……。振る舞いとしては「今だよ」のとこがやっぱり断トツで好きだが、表情としては最後の「乗せて」が一番かな。奥歯まで見えてる感じが絵として好き。もちろん、ここは行動としても好きだが。今まで何度も下校を共にしてきたなかで、この女が二人乗りを夢想しなかったわけがないじゃないですか。じゃあなんでそれをやらなかったかって、そこには色んな想いがあるわけで。

 

・む、そういえば、市川から2人乗りに誘ったことはあったな。ツイヤバ。一旦は山田も乗って、しかしやっぱやめたをしたやつ。その理由は「ゆっくり帰りたい」てないじらしい理由で、山田は第一にそこなんだな。少しでも長く一緒にいたいってのが根幹だ。

 

・最初に二人乗りしたときも。すぐ上で取り上げたツイヤバでも、山田は正面を向いて乗っていたが、今回は横乗りだ。この辺も意図してんのかな。細かい。

 

・次回更新は例によって2週間後。バレンタイン後編なのか、それとも中編なのか。……有休全然余ってるし、やべぇの来そうなら休もうかな。そんな感じで。