せんくつにっき

思うこと、感想、とかとか

僕の心のヤバイやつ感想『僕は壁を作っていた』

・髪の毛あんまりだったかな……ってなってる山田があまりにも可哀想で可愛すぎて、塩対応の市川に膝入れたくなるけども、まあ後で挽回したしな……という許しの気持ち。山田の言う通り、”らしく”なってきたじゃんよ京太郎……。これは何目線で、私は2人のなんなんでしょうね。ファンだよ!!! 膝も許しもファンの領分じゃねえよ!!!!

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・これがオタクの良くない癖なのかどうか自分でも判断がつかないんだけど、市川が塩対応しちゃったとこ、市川自身がそのバッドコミュニケーションそのものに最後まで気づいてないままっぽいのがちょっと不安になっちゃいますね。予期せぬ再開と予期せぬ乱入と予期せぬ髪色でいっぱいいっぱいだったからある種しょうがないっちゃしょうがないし、最後はパーフェクトなフォローをぶちかましたのでこれで後腐れを感じるのは我ながらナイーブなんだけど、原因に気づいてないと失敗って繰り返すものじゃないですか。

 

・まあ、「自慢したかった」とまで言ったんだから、次似たようなシチュエーションになったときは今回みたいに誤魔化さず、有言実行してくれますよ。もう繰り返さない。市川京太郎はそういう男の子だ。壁を作らず、友達と思った人には隠し事をせず、山田は彼女だってちゃんと伝える。取り急ぎ萌子に報告しましょうぜ。にやにやしながら祝福してくれるさ。

 

・木下くんもいい子でしたね。2年以上没交渉だったってことは、市川から連絡してなかったと同時に、木下くんからも連絡してなかったか、あるいはしてても市川が反応しなかったということでしょう。前者の場合、おそらく市川のコンプレックスを感じ取り、気を遣って「待って」いたということになるし、後者の場合でも無視されてたって不満をおくびにも出さず、かつてとなにも変わらずに市川と接していたということになるので、どう転んでもいい子。

 

・これはマジで感覚的な、根拠皆無の感想なんだけど(ずっとそうだろ)、山田、付き合い始めてからかつてのグイグイ感が鳴りを潜めてるような。今回の市川の塩対応も、前なら落ち込むんじゃなく、不満を顕わにしてた……ような気がするんですよね。急にしおらしくなってるというか、物分かりのいい彼女であろうとしてるような、そんな印象を受ける。だからなにではないですが。

 

・前置きはこの辺にして、頭っから始めましょうか。個人の感想です。

 

・ギャル登場。開幕ちょっと緊張しててかわいい。染髪による大幅なイメージチェンジを市川に受け入れられるか不安なんでしょうね。前回も真っ先に「あの、髪……」っつってたし、なににも先に市川の評価が、「似合ってる」「かわいい」が聞きたかったと。キュンキュン来ちゃうぜ。

 

・だから市川はそのモノローグを全部口に出すんだよ!! あらゆる思考が「可愛い」に上書きされてしまってて、よほどストライクだったと見える。まあ市川は山田が坊主とかにならない限りなんでもストライクになると思いますが……。というか初期のツイヤバでそんなのあったな。図書室で、まだ山田が勉強道具すら広げていない時代。なつかし~。ツイヤバまとめまた出さないかなって思うけど、そもそもそのツイヤバ自体が本編の隔週更新やらなにやらで少なくなっちゃってんですよね。忙しい=人気ってことだから、痛し痒しだ。

 

・気づく山田。数回見たっきりの卒アルにいた人間のことなんかよく覚えてるなって感じだが、市川の友達ってことで特別印象に残ってたんでしょう。あんまりぐいぐい行くのは止めてあげてね。陰キャ、それも男子校で二年過ごした筋金入りに、今の山田は恐ろし過ぎるから。ぶっちゃけ公立に通ってても緊張する見た目でしょ。

 

・紹介を促す山田可愛い。この辺社会経験出ますね。それに引き換え市川!!! 嘘は良くないですよ。ここの市川、さっきまで久々に会った旧友とかつてと変わらないやり取りを交わし、そのことを嬉しく感じていたばかりなので、「変わった自分」を木下君に見せるのを躊躇ったって感じなんでしょうね。

 

・ちゃんと彼女なのに友達と紹介され、気にしてる髪色の変化もあまり取り合ってもらえず、ここの山田の表情に胸が痛くなる。私が冒頭でグチグチ書いてるの、おおむねこのグル目した山田を見たせいでしょうね。だってさ、褒めてもらえるかわからない染髪は仕事の影響だし、友達と紹介されたことも、山田目線からすれば仕事に悪影響を与えないために嘘をついたのかなってなるんだけど、これが山田がモデルじゃなかったらもっと当たり前の反応をして、されてたってことじゃないですか。友達だって誤魔化されたらなんで嘘つくのってぷりぷり怒って、髪を染めるのだって色々市川の反応を探ってから、ある程度の好評を見込んでから「どうよ」って自慢気に見せてってのが普通のことじゃないですか。こんな、不満をしょうがないかって納得して飲み込んだり、染めた後に恐る恐る緊張しながら反応を伺うなんて、そんな風にはならないわけじゃないですか。たぶんね。

 

・で、じゃあ、そういう「普通」ができないから仕事を諦めるかって、修学旅行編でそれは違うんだって話に2人はなったわけで。そこはもう乗り越えてるんだけど、乗り越えたからってなにもかもが上手く回るわけではない。山田のいない修学旅行はやっぱどこか寂しいし、堂々とお付き合いを公言できない事実は胸につっかかる。そのうえで、その「普通じゃないから出来ないこと」を2人でどう受け止め、乗り越え、進んでいくのかが重要なのだけど、ここの山田はすべて1人で飲み込んじゃってるわけじゃないですか。そこが胸に突き刺さってるわけです私は。こんなにつらそうな顔をした直後に、なんでもないような顔でにこやかに物わかりよく離脱する姿、見てしんどくならない方が無理って話だ。見えないくらい離れたときの山田の顔を想像するだけで、このように文が長くなる。

 

・それはそれとして過去回想。市川の傷。こっちはこっちで辛いものがありますね。「友達だから、変な誤魔化しをしたくない」とは足立とのあれこれのときに出た言葉だが、この腹痛なんかまさにその「変な誤魔化し」そのものだ。これは妄想だけど、ここから小学校卒業までずっと市川は木下たち友人2人に「こんな感じ」で、だから卒業後に彼らからも連絡がなかったのかもしれない。それは、急に距離の離れた市川を友人と思わなくなったのではなく、独り離れる友人の変化の理由を察し、自分たちに出来ることはないと理解したから、と考えるのはあまりに浸り過ぎですかね。

 

・山田が現れ、去ってからもバカ話を続ける木下君。筋金入りの陰キャだが、その筋金が太すぎて頼もしいまである。久しぶりの友人にギャルの友達が出来てようが、その友人に対し堂々と非モテ陰キャネタがかませるの、芯が強すぎるでしょ普通に。寿命を縮めてくるその女子と今からライヴに行くんだぞそいつ。

 

・ごめん。ここはもう、その内容は語るまでもなく、ただただ「それ」を口に出せた市川の成長がまぶしい。ホントにただただいい子になったよ市川は。ちょうどアニメで初期川を見返してるだけに、強くそう思う。それにしても、「たくさん話したいこと~」の市川、ちょっとイケメンすぎませんか。たぶん眼だな。いつものグル目ではあるけど、角度のせいでパッと見ハイライト入ってる普通の眼のように見えるのだ。……瞳が普通になるだけでイケメンになるだと?

 

・P6下真ん中の木下君の表情もだいぶいいですね。どこかホッとしたような顔で、市川との距離が開いてたのを、やはり彼も気にはしていたのだ。

 

・きっちり友人に戻れたところで、さっきの「変な誤魔化し」の訂正。義理堅いね市川は。そのせいで木下君膝から崩れ落ちちゃってるけど。あんまり共学に夢を見せるんじゃないよ。進路歪んだらどうすんだ。

 

・待ちぼうける山田サイド。横顔マジで美人さんですね。ナンパも寄ってくるが、市川じゃないと確認した瞬間に秒でガン無視という手慣れた対応。このナンパ男、今声かけてるのが中学生って知ったらどうなんだろ。

 

・颯爽と手を引く市川。カッッッッコ良すぎ。そしてナンパ男もチケットしまうの早すぎ。市川がカッコイイシーンなのにちょっと笑っちゃたよ。さっき書いた通り山田はまだ中学生で、大してこのナンパ男はたぶん高校生以上だろう。慣れているのかもしれないが、山田からすれば年上のぐいぐい来る異性なんか普通に恐怖の対象で、それだけに市川のこの行動が引き立つ。

 

・手を引いて歩く市川も、なんでもないような顔してるのがいい。ナンパ男から救った達成感も、自分から手を繋いだ緊張感も感じさせない。マジマジ見ればフラットさを装ってるように見えなくもないけど、だとしても装えるくらいの余裕があるのだ。

 

・やっと髪の毛の話が出来た山田。帽子はあれですね、修学旅行の狐の仮面を思い出しますね。市川の反応から染めたのはあんまりだったかなって思って髪を隠すためと、そのちょっと落ち込んだ本心を隠すため。褒めてくれないから隠してやるって当てつけもあったりしたら最高。「えーどうして?」って取りようによってはちょっと意地悪な質問じゃないですか。だからそういう気持ちもあるのかなって。まあ、友達って嘘ついたり、話しかけても反応薄かったりしたくせに「いてもよかったのに」とか言われたら、考えてなくてもちょっと意地悪を言いたくはなるが。

 

・「自慢したかったから」。仮面とは外されるためにあるものなので、予定調和というやつですね。そこも修学旅行と一緒。合流してからずっとイケメンムーブしてんな市川こいつ。「えーどうして?」から帽子を上げるまでちょっと間が空いたの、山田の様子に気づいてからどうしようかと逡巡してる間ということで、つまり「山田を元気づけるために」あるいは「ときめかせるために」このムーブをしたということになり、市川このやろう。行動がたまたまクリティカルになったわけじゃなく、クリティカルを取ろうとして取ったの、あまりの成長ぶりにめまいしてきた。

 

・ひさびさにちょっと長くなってしまったが、この辺にしとこう。次回予告ではライブハウスでなんか致してますね。いい加減にしろよ市川お前……。じゃあ、そんな感じで。