せんくつにっき

思うこと、感想、とかとか

僕の心のヤバイやつ感想『僕は信じてみたい』

・予告コマにも出てたにゃあさんのあれ、ちょっと調子に乗っちゃった萌子を諫めるため……でいいのだろうか。(友達の親に)嘘をつき、その嘘が露呈しないように振舞った結果で山田が傷つくというこの状況自体が「こーゆーの」で「よくない」うえ、それを(カップルの振りという状況を)萌子が若干楽しんでる風だったから、さすがに見かねたと。いやちょっとあんまり頭回んないんすよ今日。なんでちょっと薄い(当社比)感想になりそう。

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・しかし小林は平常運転が過ぎるというか、ここまで来ると全部わかった上であえてそれをおくびにも出さずに知らないふりをしてんじゃねえかって疑惑が……ないか。ないね。なかったです。

 

・いくつかの疑問に答えが示された回ですね。まず山田パパの職業問題。初登場時の服装から料理人に類する職業だろうな、パティシエだと山田のお菓子好き(特にチョコ好き)に文脈が見えてそれっぽいな、だけどそれなら山田がわざわざ萌子に習おうとする意味がわかんないな、というのが前回までの認識。冒頭一コマ目で解決しますね。教わらないのは「危ないからと教えてくれない」。スマートだ。山田不器用だもんね。小林が「教わらないの?」と聞いたことと、最後のページの様子から、わざわざ論理立てて説明するまでもなく察することができる。

 

・山田パパ、面白いキャラですね。山田フレンズを軒並み怯えさせてるけども、十中八九当人にはそんなつもりはない。「これじゃダメだ」も見かねてなのか親切心なのかはわからないけど、単純にアドバイスでしょう。ただその体格……というか纏ってる雰囲気で勘違いをされているだけで、おおむね市川の鏡みたいなものだ。口下手っぽいとこもそっくり。しかしでけえな。2mあるみたいな話を聞いたが、あれは描写からの推定だっけか。

 

・あとそうだ、個人的に気になってただけの、山田は親の前で市川の話をしてないのか問題。今回の試作会にあたってではなく、学校でこんなことあったよーっつって雑談のなかで、だ。話してない方が変だよなと勝手に気になってたが、やっぱ話してたみたいですね。

 

・前置きが長くなり過ぎだ。いや、あんま頭働いてないから今回のクリティカルな部分(可能性の話とか)に触れたくねぇなぁ~ってやってたらこうなっちゃった。とりあえず頭っからいきましょう、個人の感想です。

 

・冒頭。山田―小林の会話は頭で触れたのでいいとして。にゃあが後ろでプッツン(って言い方が正しいのかわかんないけど)来るまでの間、明確に彼女の表情が出たのってこのコマだけなんすよ。だからいまいち萌子お手製地獄を眺めてどう思ってたかってのが把握しづらく、彼女のこれまでのキャラから考えるしかない。ウソとかごまかしは嫌いっぽいよな、たぶん。どっかで山田と市川の関係に対するにゃあのスタンスがある程度でも明言化される日がこないだろうか。萌子みたいに。

 

・さらっと新妻みたいなムーブをしようとするが、しかし親の目で断念。まあね、友達の彼氏にやるそれ、泥棒猫の動きだもの。あわててフォローする萌子はまわりが良く見えてますね、落ち着いている証拠です。山田はすごい顔してますが。たぶんじゃんじゃか殺気を向けられてるけど、萌子あんまりそっちには気づいてないんじゃないかな。若干ノってるし。あるいは、市川と同じように「仕方ないじゃん」と思ってて、あえて山田の気持ちをスルーしてるか。

 

・このあたりで辛酸をなめる山田に対し、前もって親に言ってないのだから自業自得じゃんという見方もあるだろうけども、あんまりそこまで厳しい目で見る気にはなれないかな……私は。

 

・「きょーーたろうくん」。LINE交換に続き、下の名前呼びも取られたぁ! いやこれはあれですよ、「きょう」ではなく「きょーー」とあからさまに多めに伸ばしてるので、「イッチ」みたいなあだ名の範疇ですよという苦しい言い訳が透けて見える。まあ、配慮虚しく市川は驚くし山田も沈みますが……。イッチで良かったじゃんとは私も思う。

・あまつさえ仲良さげにこそこそ話まで始められちゃって、山田の顔はそれもう取られた人のそれだよ。今日はいろんな顔するね君。負の百面相だ。

 

・中学生の恋愛模様に興味津々の山田ママ、家での山田に甘い感じが漏れてませんか……? このガバ度で萌子に対し「厳しんだよ」なんて評価を得られてる意味がわかんないですね……。あんまり会ってはないのか、それとも隠すつもりがそもそもないのか。山田ママのオンオフは家庭の内外で分けてて、今まで会ってたのが家の外だという説もある。

 

・にゃあさんの一喝! 予告でそれなりにワクワクしてたとこだが、小林がさらっと流したせいか真意は靄の中に。唯一モノローグで説明できる市川も、そもそも山田→市川の恋心を知らない(確信してない)から今の山田家が地獄ということもわかってないんだよな。いや、わかってないというか、市川のなかで確定できる事項ではないというか。ただ、好きな人の前で他の人と付き合ってるふりをするというのはごく個人的に苦痛というだけで、自分以外にとって、山田にとって今の状況が不快かどうかなんてわからない。

 

・このお通夜のような雰囲気よ。これすらも小林が察してないのなら、君はじゃあ一体なにになら察せるのかね。萌子の表情が味わい深くて個人的に好きです。

 

・市川、自分が異物だと察して一時戦略的離脱。そうなのだ、市川はもともとそういう考えだったのだ。山田フレンズの発する萌え4コマ的空間を、その平和を愛し、そしてそれをぶち壊すナンパイを憎むやつだった、はずだ。

 

・まあ昔どうだったかは置いといて。ここで山田からの「楽しい?」。これなぁ~、一連の山田の行動のなかで、個人的にはこれが一番悪手というか、山田の今の状況が辛いし業腹なのはわかるんだけども、市川が自分のことを異物だと考えてるとこにこの発言はちょっとタイミングが悪かったね。

 

・山田的には「(萌子とカップルのふり出来て)楽しい?」という嫌味なんだろうと思うけど、市川からすれば「(あなたという異物のせいで空気が死んでるけど、それでもあなたは)楽しい?」としか受け取れないわけで、そりゃ「帰ろう」だよ。帰れって言われてるみたいなものだもの。山田の顔が怖すぎる。いやほんと。

 

濁川くん登場。……この回だけ見た人、いやそんな奇矯な人がいるかどうかは知らないけど、絶対「急にヤバいのが出てきた!」ってなるよな。山田パパの比じゃない。あっちはまだ父親だろうなってなるもの。

 

・可能性について。濁川くんはつまるところ市川なので、この問答は市川が普段如何にして自分の「思い過ごし」「うぬぼれ」を鎮めようとしてるのかの再現だ。結局、期待を抑えるやり方なんてこれ一つしかない。

 

・奇跡を想起すれば、そんなものは起こらないと。可能性を夢想すれば、そんなものは存在しないと。ある意味、濁川くんの出現は可能性に対する期待の表れだけど、それと同時に、こうやって問答することによって自分の期待を抑えるためでもあるのかもしれない。

 

・あるかもしれない奇跡のために。誤解を解く、というのは言いようで、やること自体は嘘の釈明だ。そう言い換えるとそれ自体は山田との将来云々関係なく「やっておいた方がいいこと」で、そりゃ状況が状況だから別にやらなくてもいいのかもしれないけども(このまま帰るともう山田、萌子、市川がセットで山田母の前に出ることはないだろうから)、それは「やらなくていい」であって「やらない」ではない。積極的に「やらない」を選ぶ理由は「それをしたら『山田と付き合える可能性』を信じてることになる(からやらない)」という、市川の中にしか存在しないものだ。だからこそ、それを乗り越えた市川がえらいのだけど。

 

・山田母とのタイマントーク。ふっつうに優しい「友達のママ」してますね。あの反応は「ちょっと驚いただけ」とのことで、まあそれだけで「そう」見えちゃう見た目の持ち主なんでしょう。今の頻繁に饅頭みたいになる山田も、もともとは黙ってたらキツい印象を持たれるクール系美少女(笑)で、出演する映画の配役もそのようにされている。

 

・市川という男の子の友達がいることは知ってた模様。というかそうか、三者面談の時に話してましたもんね。子供に優しいこの親なら、よく覚えていても当然だ。読み込みが足らんなこりゃ。

 

・はて、この愛娘の反応でなにがしか察したのでしょうかこの母は。すごく親しいというのは理解したようだが。俄然山田がなにを話したのか気になるが、この話をさえぎって「ママ!」ってやるやつ、すごく往年のラブコメって感じでなんかウケてしまった。

 

・「楽しい?」っつって冷たい目を向けたくせに、いざ帰ろうとすると引き留めるこの山田という女、くそめんどくせえな! 最高! まあすぐに「私は萌子の嘘を否定しなかったことに怒っておるぞ」と態度と言葉で示したので、市川との間に誤解もないでしょうし、すれ違いもなくいいんじゃないでしょうか。

・市川が嘘を否定しなかった理由、『一度目の結婚の挨拶でちょっとした小細工を弄した結果うまくいかず、二度目はもうちょっと策を練ったほうがいいのかなと提案する山田に対しての市川の提案とその理由』じゃん。え、違う? 違うか。

 

上着を脱がすのを手伝う山田、今度こそ新婚さんっぽいこと出来てよかったねって感じだ。よしじゃあ今度こそ楽しい試作会の始まり……かと思いきや! 謎の(謎ではない)大男が出現。なんもかんもが怖いよ。『なんかいる』はたぶん市川と山田パパ共通のモノローグですね。山田の「あちゃー」みたいな顔がかわいい。これも珍しい表情ですね。

 

・とりあえずここまで。続きは今晩……書けそうにないなぁ……。わかんね。