せんくつにっき

思うこと、感想、とかとか

僕の心のヤバイやつ感想『僕は負けたくない』

・学園ギャグ漫画が上手すぎる……! いやまぁそりゃそうだけどさ。そっちのジャンルを連載してた期間の方が遥かに長いわけで、むしろ「ギャグ漫画家なのにラブコメが上手すぎる」って評価の方が正しくって、実際ずっとそう言われてたんだけど。ただもう私のなかじゃ桜井のりお先生はラブコメの大家だよ。おおやじゃないよ。

mangacross.jp

 ・ずっと学校が舞台で、ラブコメやりつつずっとギャグも欠かさなかったってのに、今更なんで「学園ギャグ漫画が上手すぎる……!」なんて感想を抱いてるかって、動くキャラの数が大きいんでしょうね。単純にキャラ数が増えたって話じゃなくて(それもあるけど)、かつては名前が出てるだけのほとんどモブ同然だったキャラたちが、1人また1人と魅力的なサブキャラクターになっていって、彼らそれぞれが市川と山田のそれぞれに絡んで……。言い方はあれだが連載4年目にしてようやく「学校らしく」なった感じだ。あと、そういう変化が語り手たる市川の視野や交友の変化と連動してるものだから、まさしく世界が広がったなってことも感じる。

・足立が山田に邪さを向けて、市川がそれを邪魔する流れ。市川自身は足立の俗さ純粋さとそれを阻止することに心地よさ(ボケに対するツッコミ、友達同士のじゃれ合い的な)を感じてるようだけど、ちょっと自分勝手感あるよなここ。今回はただただエロい目で見ることを阻止したかだけだからいいが、そのあとで回想しているように声を掛けるのや教科書を見せてもらうのを邪魔するのは(虚言があるとはいえ)アプローチを正しく邪魔しているわけで、それも友人同士の合意のうえでのノリならともかく、足立はそれを「阻止」とは捉えていないのだ。市川が「それがいい」と思ったときにはそのあたりのことまで考えてなかったんでしょうけどね。

・前置きはその辺にして、頭っから行きましょうか。個人の感想です。

・体育祭当日。はしゃぐ女子勢が微笑ましい。いや誠て。蒙古タンメンて。山田辛いのもいけるんすね。甘党の脂党かと思ってたが、美味しければなんでもいいタイプか。

・用務室前のいつものスペースで例のごとくイチャイチャ。鉢巻結んでるコマがいいですね。一つの会話もなくこの湿った空気に突入できるのだこの2人は。「水性だよな?」って、書くのはいいんかいってね。ところで、市川が教室を出たときにはまだ教室にいたはずの山田がいつの間にか階段の下に先回りしていて、なんか脳みそが混乱しますねここ。トイレなりで時間が空いてるんでしょうたぶん。

・台無し宣誓。宣誓に向かう足立を見て、卒業式で送辞を述べた自分と重ねただろうに、その結果がスポーツマンシップもっこりだ。台無しだよ台無し。まあ、友情ってのは自分と違うから育めるものなのですが、それにしたってちこいますは酷い。そりゃこんなやつに負けるかってなるわ。

・それはそれとして、なんで足立が選手宣誓してるんでしょうね。自分から立候補したとなればそれなりにいろいろ妄想することが出来るのだけど、いやけど結果がもっこりだからなぁ……。エモさを見出そうにもやってることが金を賭けてのちこいますなので、全部お終いだ。

・器用な半沢さん。こういう団扇ってなんか名前あるんでしたっけ。良く知らないが、なかなかのクオリティ。あと、このあたりからのギャグの連続が本当に漫画が上手い。

・カンカン。とりあえず、マスク付けたまま走る競技に参加するのはあまりにも強すぎるだろう。通気性いいやつなのかもしんないけどさ、それにしたってだよ。で、捏造くじの件なんだけど、私怖いよこの子が。というのもさ、このカンカンのカップルを成立させようとするやつ、私はてっきりそれを「色々楽しいことがある中の上位の一つ」くらいにカンカンは捉えてるのかと思ってて、それがなぜかって言うと春休みに別れた2人に対してあまりに無関心(に見える態度)だから、カップル成立を楽しいイベントと捉えはしてもそれを最上として考えてはないだろうと、一番だとしたらもうちょっと思うところがあるだろうと考えていたのだけど、わざわざくじを捏造する熱量からは「いろいろのなかの一つ」感はなく、至上のものとして行動してるように見える。繰り返しだけど、……じゃあもっとなんかあるだろ!! かつてくっつけた2人が別れた事実にさ!! 半沢さんみたくよ!! 「あっそうなんだフーン」は人の心がなくないですか?!

・そんなサイコパスラブなまはげに『こっち見て』はダメだよ山田。そして助けを求めるように市川に視線をやるな! なまはげにばれるだろ全部!! それはそれとしてその視線をやってるとこの顔はギャンかわですね。

・走る山田夫(妻)。万事休すの山田が「うちのパパとママ」っつって差し出したんでしょうね。娘に売られた2人の明日はどっちだ。外では厳しい母で通してる山田ママが可哀想でかわいい。こんな2人が表れたら体育祭も大盛り上がり間違いなしなんだけどさ、つまり上等な見世物扱いってことなので、子供は時に無邪気に残酷です。1位だ~~!じゃないよあなた。もうちょっと感謝しなさい。

・不正判決。金生谷さんかこれ! なんかおかっぱの感じが微妙に違う気がしたから別人判定してたけど、名札の一番上は「金」って書いてるっぽいし、たぶん金生谷さんでいいんだろう。怒ってる守屋先生は、うん、怖いね。

・山田出陣。同年代女子に比べるとやっぱ暴力的なまでにデカいな。もちろん背の話です。萌子が「ちゃんと応援しろし」っつって市川に絡んでるのがいいですね。萌市的な視点ではなく、気安い異性が増えたねってとこで。

・絡みに絡まる山田。デカいから絡まりやすいんでしょうね。背の話だっつってんだろ。

・ガン見する足立と阻止する市川、俯瞰でみると二年のスペースの最前列でなにやらごちゃごちゃしてる三年2人なので、両方邪魔だからどっか行ってあげなさいよ。二年坊主からしたら恐怖ですよ。送辞と宣誓とで(たぶん)それなりに顔が知れてる二人なわけだし。。

・「めっちゃ応援してたやん!」「へへ」のとこ、あっそこ(山田と萌子)の間では隠すつもりないんですねってなった。「市川に応援してもらえてよかったね」「照れ」って会話なので。私はてっきり萌子くらい把握されてる相手だとしても、建て前上しらばっくれるものかと思ってた。あと、細かいけども、市川が応援してくれたって山田の喜びに水を差さないように、ここで「私が促した」的なことは一切言わず、なんなら自分も驚いたみたいに振舞う萌子がナチュラルにいい女すぎて最高。

・前もこんなことあった。もうほとんど諸々に気づきつつある様子の足立だけど、ただただ落としどころが気になりますね。正直、タイマン(騎馬戦)を通して心が触れ合って解決!も悪くはないんだけど、それはそれとして言葉のうえでも落とし前をつけてほしい。言葉にしなくても関係は進むし、言葉にしないことが重要なときもあるけど、それでもやっぱり言葉にしなくちゃいけないことはある。告白とかね。

・喜ばしくない雨。「お昼早まるかも(山田は嬉しいよな)」って小林と、市川のタイマンのことを知ってるから喜べはしない山田の対比が、こう、三年生になっても無邪気すぎる小林が一人置いて行かれてるイメージが湧いてきてしまい、なんか心がざわざわする。そんな深い意図はないんでしょうがね。

・続けるか否か。委員でもないのに直訴しにいくの、足立の本気が伺えるし、その本気に応える市川も、判断基準はどこまでも不明だけどおそらくは二人の本気に多少はほだされたであろう先生たちも、みんないいですね。優しい世界っつう表現もちょっと違うのだが、うまく言葉に出来なくて、なんかいいとしか言えない。しかしつくづく学校に声を響かせる男だな→市川。マイクの切り忘れは事故の元ですよー。

・いざ次回真剣勝負。鉢巻の裏に何書いたのかは次回わかる感じですかね。「杏奈」とかが無難な感じだが、さて。じゃあ、こんな感じで。