せんくつにっき

思うこと、感想、とかとか

僕の心のヤバイやつ感想『僕は誘われた』

・すげぇ、萌子がガロンガロン話を回しまくってる。そりゃラブコメだから恋愛を意識してるキャラが物語に強く関与するのは当然だけど、それにしてもいいキャラになったっすね。地獄を生み出してしまったけど。

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・山田のお仕事関係により生じた前回の切ない引きから、再度焦点が学校での二人に戻った今回。まぁね、前回の感想でも書いたけど、あれ単体で起点に話が動くには出来事として些細すぎるからね。モデルと一般人という格差の話はもうちょっと引っ張るんだろうか。

 

・で、あと数話は「友達」をキーワードに進むんですかね。「実質カップル」「これで付き合ってないは苦しい」「抱けぇー!」などと言われてずいぶん経過した現状で、友達の距離感をテーマにするのは「今更?!」と叫びたくなるが、これはもうしょうがない。市川にとっての「友達」は今のところ山田ただ一人で、距離の近さに気づきつつも今ひとつ山田からの恋愛感情を確信できないのは、まさにその「普通の友達の距離感」がわからないからだ。そこさえわかってしまえば、山田の距離の近さの異常さに気づいてしまえば、そこで市川の至り得る結論は2つ。「山田は僕が好き」か、「いや、山田だからな……」。……前者であって欲しいけど、市川だし……山田だし……。

 

・展開の予想はあんまり好きじゃないんだけど、もしかしたら。「普通の友達」というものを市川が理解して、山田の好意を自覚して、障壁なんて無くなった途端に「二人の格差」という爆弾が起動するのかもしれない。

 

・ところで、サブタイとして「僕は山田が嫌い」は既にあるけど、どうなんでしょう。「山田は僕が嫌い」「僕は山田が好き」「山田は僕が好き」等はいつか来るんでしょうか。来るんなら一週間前には教えて欲しい、仕事を休まなきゃいけないから……。

 

・じゃあ、冒頭からいきましょうか。個人の感想です。

 

・関根萌子、中学2年、バレンタインに鼻息荒く。クリスマスが不発だったのがよほど心に来ていたらしいですね。ところでバレンタインって意中の相手がいない女子が、恋愛絡みで張り切るようなイベントですかね? 空回りの気配。あるいは、まさかナンパイをまだ……? 諦めたって描写なんてないから「まさか」も「まだ」もないんですけどね。これはあれです、私が萌子を好きになりすぎたので、ナンパイなんて選んで欲しくないという理外の女々しさを発揮したカタチです。

 

・入念なる、チョコを「もらうため」の計画。バレンタインに対する姿勢が男子とおんなじなんよ。目線は食欲100%だけど。この時点で市川への諸々は考えてたんでしょうかね。考えてるなこれはどうも。萌子に教わりたいと、それもチョコに指定してるのがその証拠だ。そういえば一部には山田父パティシエ説なるものがあり、だいぶありそうだし面白いと思ってたけども、だったら父親に習うんじゃなかろうかという反証が生まれてしまった。

 

・仲良し女子みんなでチョコ製作。眩しい青春だ。この輪の中に市川が入るの、冷静に考えなくてもヤバくないですか。市川が「そう」だとは決して言わないけど、行動だけ見たら女子とばかり仲良くする、同性にバカにされがちな男子。

 

芹那とバヤシコはバレンタインに興味なし。興味なしとありで2対2に分かれており、バランスのいいグループですね。それぞれの馴れ初めとか仲良くなったタイミングって、描写されてなかったよね? どうも全員仲良くなったのは中学からっぽいが…私の中では、バヤシコは同じバスケ部で自然に、芹那は中一で同小という繋がりで山田から近づき、萌子は中二になってから萌子の方から接近した……という妄想が半ば固定されています。

 

・ウザ絡み萌子。クラス内で市川と絡んだ回数第二位になるんじゃないかこの子。大晦日以来互いのことを見直し始め、二人の距離は急接近だ。ああいけない、どこからか人殺しの目が……。

 

・最初は山田の席が中心だったのに、じわりじわりと移動していつしか市川の席を囲んでいる女子の輪。恐ろしすぎるんですが。これ、完全に萌子が主導して動かしてるけども、なんか思惑でもあったのだろうか。萌子のことは大体わからない。試作会の流れは意図したものなのか、市川の参加は山田への援護なのか。案外何も含みはなく、試作会は話の流れで決まっただけで、市川の参加も「友達だからいーじゃん」くらいのものかもしれない。ギャルなので。……前者はともかく、後者はなぁ……。萌子の市川に対する態度の柔らかさは、多分に「山田が好きな相手だから」というのが大きいと思うし(大晦日に見た市川の頑張りもあろうが、あれ一本でここまで距離は縮まんないでしょ、たぶん)、両思いの二人がまだ付き合ってないということを知ってる以上、市川絡みの行動に含みがない方がしっくりこないんですよね。

 

・チョコが一番えらい云々のコマのバヤシコの顔! 「無」だよ「無」。山田によるこういうわけわからない主張を聞きすぎて、理解できない話の時は反射的に受け流すモードになる説。

 

・やれやれしながらもばっちり決める(彼基準)市川。中学生男子らしい。市川の中学生らしいとこ見るとなんか嬉しくなるんだけど、これはどういう回路で生まれる感情なんすかね。そんでそのシャツどこで買うんだよ。逆に書いたいわ。

 

・「奇遇だね」。これはキツい、陰キャじゃなくてもキツいよこれは。これ食らってダメージ受けないやつは頭のネジどっか外れてるよ。市川の参加が曖昧な時点で薄々そうだろうなと思ってたけど、わかってても「ヒッ」ってなった。バヤシコはいつも悪意なく人を刺す。いい笑顔しやがって。お前だけだぞわかってなかったの。まあ、山田ー市川のラインを把握してないのだからしょうがないのだけど、山田の近くにいてそれに気づかないのは、結局のところ鈍感の謗りは免れない。

 

・クラスの塵て。久しぶりに自己評価底辺なとこ見た気がする。

 

芹那もバヤシコの勘違いには気づいてる風だが、そこで助け舟を出すほど市川への好感度は高くないと。どーしたもんかなーって感じは出してるけど。「いないならいないでいいし、どうしてもなら山田か萌子が呼び出すだろ」みたいな感じだ。まあロクな絡みがないしね。ところでこのバヤシコによる悪意のないナイフを味わった直後の、萌子によるサッパリした救いよ。落差で天使のように見える。山田がいない間に市川の好感度を上げることに定評のある女。

 

・市川と萌子は友達なのか。どうなんでしょうね。上でも似たようなこと書いたが、萌子は市川のことをほとんど「友達の彼氏」くらいに見てると思ってて、それが友達かって言うと……というのが難題。クラスの他の男子よりは親しく接してもいいかな、くらいは思ってるだろうが、結局山田という存在ありきなわけで。距離感はともかく関係として「友達」とは……言わんのじゃないかなぁ……。ところでこの『友達……なのか……』のコマの萌子、だいぶ可愛い。

 

・自分ちなのによそいきな山田。いつもよりやや少ない出番でも欠かさず卑しさを稼いでくこの姿勢、たぶん芹那あたりは呆れてるんじゃないでしょうか。

 

・山田母、思わぬ男子の登場に動揺。歓迎している感じもないし、この感じだとあれですね、雪の日に市川を隠したのは正解だったかもしれない。萌子の言葉から察するに、家の中だろうと家族以外には厳しい外面を見せているようだし。歓迎ってことにはならなかっただろう、たぶん。

 

・山田は市川の話を家族にしてないのだろうか。いや、今回の試作会の話ではなく、日常会話の中で学校の話をするときに。友人にはガンガンにしてるようだから(だから萌子も芹那も感づいてるのだろう)、仲のいい家族にしてないとも考えづらくて、ならば「市川くん」の存在を山田母が知っててもおかしくないよな……という連想。

 

・「彼ぴー的な?」。はい地獄一丁。こっからあれですよ、嘘つき通すために山田母の前で、つまり山田の前で、市川と萌子はカップルのふりをしなくちゃなんですよ。NTRやんけ! なんて事しやがる桜井のりお。「やっぱり嘘でした」ってするにしても、じゃあ結局お前はなんなんだって話を、それも嘘をついた理由から説明する必要が生じるわけで、それは無理。逃れられない煉獄です。おまけのばやしこが唯一の清涼剤だ。

 

・ストレス溜めまくった山田、反動で市川に無茶苦茶して欲しい。こう……隙を見て部屋に連れ込んで……とりあえずなんか一方的にむちゃくちゃを。付き合ってる(嘘)萌子が台所でチョコ作ってるなか、扉挟んだ部屋でむちゃくちゃ(隠語)してるの、これはこれで……NTRの構図になるな……。

 

・山田母が思いの外猜疑心を見せたのが、山田と関根、市川にとって誤算だったと。こうなるなら萌子の家でやったほうがマシだったかもしれないっすね。山田は許さないけど。

 

・今読み返しててふと気づいたのだけど、試作会を山田の家でしようと決めたシーンで山田が「日曜なら休み」って言ってるの、これ親の仕事の事だよな。山田が参加するんだから山田の仕事なわけないし。親がいないと友達をあげちゃいけませんってご家庭か、あるいは料理に強い(推定)山田父が途中から参戦するフラグか。あんまり料理人が週末休みなのってないけど。

・いい感じの扉絵。山田は随分と楽しみに様子だが、まさかこんなことになるとは思いもしなかっただろう。だめだ、こういう「楽しみがおじゃんになる」っての、ちょっと私の心の弱いところを刺してくる。萌子が地獄作った瞬間も、後ろで書く次回チラ見せを見た時も笑ったのだけど、それはそれとして。

 ・次回のチラ見せ、大爆笑してしまった。5の4がお通夜じゃないか。こうなるとばやしこの鈍感さが救いである。

 

・わりとずっと有能なムーブを見せていた萌子の、唯一の失策。これが次回どう転がるかが楽しみです。そんな感じで今日はここまで。