せんくつにっき

思うこと、感想、とかとか

僕の心のヤバイやつ感想『僕らは探している』

・すごい、萌子のカッコ良さが留まることを知らない……。なんだこの良キャラ……。なんで彼氏できないんだろう……。狙った相手にはぶりっ子で行ってこういう面を見せないからか……?

mangacross.jp

・前回の解決編……とはいきませんでしたね。山田の引け目も申し訳なさも何一つ解決していない。そのあたりは次回の山田の家でじっくりと、だろうか。今回は今までにないくらいに多くのサブキャラが絡んできた印象があるので、次回は二人きりでしっぽりやるのではと予想。というか希望。

 

・最後のハグリセット、我慢してる山田の顔の素晴らしいことよ……じゃなくて、これはいわゆる「これ以上好きになるのが怖くて」というやつだろうか。だいたい一巻くらい前に市川が悩んだあれを、少し遅れて山田も味わってる説。そんなこと考えちゃう時点でもう後戻りできないくらいに好きだってのにね。説はもう一つあるけど、まあそっちは後ろの方で書こう。考えたは考えたがあまり感情的に賛同しかねるやつなので。

 

・しかしあれだな、山田が距離を詰めてきたら市川もハグ待ちするようになって、言い方はあれだが調教はバッチリだな。まあハグを返すようになったんだから今更か。

 

・場面場面でそれぞれ書きたいことも多いので、さっさと頭っから行きましょう。個人の感想、考察です。

 

・前回の翌日からスタート。あの日は山田は結局沈んだまま帰ったそうで、その原因は「違いない」というレベルでわかっているけど、言うべき言葉が見つからずに悩む市川。「山田は悪くない」「自分の不注意のせい」とは言ってるけども、そりゃ悩む。山田が沈んだ原因は自分にあるとも思ってるのだもの。

 

・山田の友達三人衆からの呼びだし。こ、怖い……。女子三人から詰められるというシチュエーションが怖い。メンツにしたって、ばやしこは置いといてあとの二人が怖過ぎる。それはそれとして、P1左下の3人が並んでるコマ、ヤンキーさんの背がちょっと高いのと横顔の美人さにちょっとドキッとしましたね。山田一派は中身か見た目かのどっちかがスマートなんすね。え、ばやしこ? ばやしこはまあ、今日も可愛いですね(笑)。

 

・冗談はさておいて。山田の様子のおかしさは周りにもわかるくらいだそうだ。市川の前であの取り繕えてなさなのだから、さもありなん。にしてもあれだ、食欲の多寡で調子がわかるって、なんかどっかの魔人探偵漫画で見たな。

 

・いつもはポテトのMを二つて。給食食って、昼休みにおやつ食べて、下校時にそんだけ食って、帰って晩飯も食うんだよな。育ち盛りが過ぎる。そりゃ色々デカくなるよ。逆に腹回りが肥えてないのがヤバイよ。原さんに殺されるぞ。あれか?トータルの食べる量はともかく、下校時に食べるのは夕食が遅いから→親の帰宅が遅い説あるか?なら次回は山田の家に二人きりだが。

 

・問い詰め萌子さん。言葉とは裏腹に市川のせいだと確信してる模様。予告の時も思ったが、後ろのヤンキーさんの顔がなんかいいですね。友人の様子がおかしくて、原因と思しきやつがいて、だとヤンキーさんのキャラならガンつけててもおかしくないと思うんだよな。だけどそこまでの表情には見えず、せいぜい「疑惑のまなざし」止まりっぽい。ある程度山田を信用してるから、その山田が気に入ってる市川のことも信用してるとか?

 

・そんな中、一人だけなーんも知らないばやしこさん。すごいなこの子、よくわかんないままあんな仁王立ちとかしかめっ面とかしてたのか。友情に篤すぎる。山田の様子にはちゃんと気づいてたし、別に鈍ちんでもないと思うんだけどな……。恋愛方面に疎いだけだと思っておこう。

 

・山田登場。なんでもない顔してるけど、これ平時なら市川と他の女の間に割り込むとかしてそうなのに。「どしたの」の顔が虚無すぎて怖い。

 

・昨日はLINEも来なかったって、ほんと毎日LINEしてるんだなこの二人。

 

・秋田けんたろう紛失。あぁ、泣きっ面に蜂だ。気が沈んでるから落としたのにも気づかなかったんだろうな。弱り目に祟り目は偶然じゃなく、弱ってるからやらかしちゃうのだ。山田の狼狽に心が痛む。介助はうまくいかない、骨折は自分のせい、おまけに貰ったお揃いのストラップも無くしてしまうときたら、優しい市川にも愛想を尽かされてしまうのではと怖くなるのも当然だ。自分の『好き』が大きいほど、『嫌われるかも』の恐怖も大きくなる。P3真ん中及び左下、P4真ん中右の山田の絶望顔よ。そうそう描けないからって連発してませんか先生。こういう顔も大好きですが。

 

・なんでもない風を装うのも、嫌われたくない一心だ。だけど見られてない時までそれを貫けるほど冷静ではないし、だから市川にも「取り繕っている」ということがわかってしまう。市川だってしんどくて、頼ってもらえないというのもそうだが、山田にとって取り繕っているのを一番バレたくないのが市川相手で、それを市川もわかってる。

 

・足早に 時間が過ぎて 下校どき。ずっと山田は様子がおかしかったんだろうな。こういう日の図書室の様子が知りたいものだ。もしかしたら山田はいなかったかもしれない。

 

・原さんがすのこひっくり返してるコマ、絵面がなんか面白いな。背丈ほどある盾っぽいブツが原さんには似合い過ぎる。しかし笑ってはいけない。優しさの原さんとして、推しカプのためにキーホルダーを探しているのだから。役割分担として雪の降る外は神崎くんが担当したんかな。こっちもいいやつだ。この感じだと神崎くんには山田と市川のことは隠してるんだな。

 

・「俺が探す」の市川が! カッコ良過ぎる! 気合入れてんなおい! マフラーもたなびいてるように見えるし、仮面ライダーか? そりゃまあ本来無関係な原さんや神崎くんが探してるのに、自分が動かないわけにはいかない。

 

・どうせ見つかりっこない、そんなことをしても無駄だってわかってるけど、市川はそれと同じくらい、山田のために動きたかったのだ。お揃いがバレる云々は自分が動く言い訳を考えていただけ。山田に頼られていない自分が、それでも不合理な自己満足をするための言い訳だ。「クソッ」の連発はそんなウダウダ考えて動かなかった自分に対するものだと、私はそう読みました。

 

・「なにかお探し?」、カ、カッケェ〜〜〜!! 先生もう楽しくなってるだろ、萌子をカッコよく描くの。「ついてきてもいいけど?」て。全部わかってんじゃん。市川がストラップ探してるのも、ストラップがお揃いなのも、市川はそれをバレまいとしてたのも、市川が山田の家を知らないのも。……最後のはなんでわかってんだよ。わかってないのに「ついてきてもいいけど?」をしたならすごいぞこの人。「いや、山田の家は知ってるけど……」って市川に言われたら恥ずいことになってたのに。そんでここまでしといて当人は「やれやれ、青春でいいなぁ〜」くらいにしか思ってなさそうなのがすごい。なんで彼氏できないんだ。

 

・山田と邂逅。萌子の手回しか、家にもなかった山田が通学路を逆打ちで探してたか。……後者で! どこにも無いからって家でメソメソしてたってのもありそうだけど、山田はリュック背負ってるしね。ちょっと下に呼び出されただけでリュックを持ってくる意味がない。下校中に探して、家も探して、どこにもないから半泣きでそのまままた外に出てきたって感じだと思います。

 

・兄貴が入院云々の方便でしれっと離脱する萌子。気を回しすぎだ。死にそうて。市川相手には「わかってんだからな」ムーブをするけど、山田にはしてないんだろうか。まあね、あんまり見物するもんでもないしね。

 

・泣いてる山田を真正面から励ます市川。最高のシーンですね。なんかこう、この言い方が適切かはわからないけど、やっと目があったって感じだ。山田が引け目から逸らしていた目を、市川が必死の行動と言葉で振り向かせた。骨折してるのに自分のためにこんな必死にストラップを探してくれて、山田がなお平気な振りなんて繕えるわけがない。

 

・失くしたからといって無くなったわけではない。どこかにはあって、消えたりしない。だから「気にするな」。だからの前後であまり繋がってるようには見えないが、だからこそ、この「気にするな」が伝えたかったことなんだろうなと思う。ストラップの件だけじゃない、ここ最近の山田にずっと伝えたかった、伝わってほしかったことなんだろうなと。

 

・そして見つかる秋田けんたろう。ありがとう、名も無き通行人Aよ……。ある意味ここはご都合主義のようにも見えるけど、まあそんなこともあるだろう、程度の奇跡だ。だったらあったほうがいい、そうして二人がより幸せになるのなら。どっちにしろ市川は伝えたいことをまた伝えたし、山田の家に行くことも変わらなかっただろう。

 

・「山田と会えなかったら見上げなかった」。数話前の、山田のおかげで学校が楽しいと告げたのに対し、市川自身のおかげだよと返したあれ、あれをそのままお返しした形だ。二人が出会って、互いに作用しあっての今なのだ。

 

・「ありがとう」で山田は涙を流してるが、まあ嬉しさ100%では決してないでしょうね。0とは言わないが、山田は多分一人で見つけて解決したかったのだろうと思う。大事なものだから、見つかって安心はしただろうけど、それ以上にまた市川に助けてもらったという情けなさや申し訳なさが勝っての涙じゃないかと。おそらくだけど、市川の「山田のおかげでもある」という言葉は響いてなくて、「優しくてすごい市川」と「頼りなくてダメダメな私」という図式はまだ山田の中にある。

 

・勢いいつものようにハグしそうになった(付き合ってもないのに「いつものようにハグ」ってなんやねん)のを、しかしキャンセルする山田。冒頭では「好きになるのが怖い」説とあと一個説があると書いたが、それらとは別に「私なんかが…」説も頭の中に湧いてきた。まあ突き詰めれば「好きになるのが怖い」とそんなに変わらないのだろうけど。そんでまあ、こっちも冒頭で書いたが、この我慢してプルプルしてる表情が……素晴らしいですね! 今回は山田のレア表情が盛り沢山だ! ありがとう!

 

・感情的に否定した説は、「これ以上好きにさせるのは……」説だけど、これはちょっと山田が傲慢すぎるので……。流石にないかなと。

 

・お家に招待。まあな、ストラップを探してもらって体が冷えてるのに、このまま返して風邪なんて引かれた日にはですよ。新設してもらって風邪を引かれるのは雨回で一度あったから、次は二度目。あの時だって泣いていたのに、今の山田はもっと落ち込むだろう。お誘い自体に卑しさを感じないでもないが、風邪を引かせないという建前が大き過ぎるので不問としましょう。オラっ、「体が冷えてるから……」でシャワーも貸すんだよ。にしてもでかいマンションだな。

 

・「学習しないよな」は風邪のことか骨折のことか。両方か。どっちも「山田のために」は変わらないしね。学ランの前を開けたあの格好は確かに寒い。ヒートテックはまだ先の話だろうし。

 

・マンションだし、石室くん出るかな。流石に次回はないか。家に入る山田市川を実は目撃していたと後日判明するってやつでもいですよ。

 

・とりあえずここまで。

 

・扉絵来た(のは数日前だけどだからといって書かないなんて選択肢はない)のでぼちぼち追記。

 ・山田を励ますシーン。市川が身に着けている赤いマフラーは山田からのクリスマスプレゼントで間違いないだろう。これを巻き直して「俺が探す」をやった市川、主人公が過ぎる。仮面ライダーか?(二度目)

 

・一言コメントは、うぅん、いい言葉なのは間違いないけれど。……ちょっとぶっちゃけた話。そりゃ『モノ』であれば「見つからなくてもどっかにある。消えたりしない」と言われても、私は「そりゃそうだろ」としかならなくて、特に今回のストラップのようなプレセントって「手元に持ち、大事にすること」が重要なブツだから、失くしたとき一番辛いのはその「失くしたという事実」それ自体だと思ってる。だから、どっかにあろうがその辛さは消えないし、今回のように見つかったとしても『大事なはずのものを失くした』ことには変わらない。それもまた「消えない」。どっかにあるからいいや、なんてものではないのだ。

 

・だから、扉絵と一緒に投稿されたコメント(この話の重要ポイントと思われるコメント)が「見つからなくても消えないもの」だったことに少し首をかしげている自分がいる。あのシーンにケチをつけるつもりはない。二週間前の予告を見た時から楽しみにしていたシーンで、その期待は裏切られていない。ただ、私が心を動かされたのは正面から言葉を尽くして山田を励まそうとする市川のその姿、成長、「気にするな」という言葉なのだ。

 

・だからまあ、ここから先は「そうだったらいいのにな」レベルの話なのだけど、これから先のいつかの二人の関係において「見つからなくても消えたりしない」という言葉が効くようになる展開があるのかなとか、そんなことを考えている。それこそ二人の関係における目に見えないなにかであれば、その言葉にも感動できるのだけど。「なに」が「そう」なるのかはちょっとピンと来ないが。

 

・P8の二人が出くわした(ぶつかった)瞬間だけど、初読時はこれ「二人とも探すことに必死になって互いに気づかなかった」だと思ったが、「必死に探す市川を見て思わず立ち尽くしてた山田」でもありだな。そっちの方が萌子の動きをイメージしやすい。「山田と市川が互いに気づいてないのにどちらにも声もかけない萌子」よりかは、「市川に気づいた山田を確認し、お役御免を悟る萌子」のほうが「らしい」というだけの話ですが。それにそっちの方が山田の心境的にも好みだ。

 

・頭に雪をのせ、進行方向の自分にすら気づかないくらい必死になにかを探している市川。探し物が「なにか」なんてわかりきっていて、だけど自分はそれを失くしていることを彼にまだキチンと伝えていない。できることなら自分だけで見つけ出して、家に置いてきてただけだということにして、失くしてしまったという失敗は自分の中だけに留めておきたかったからだ。がっかりされたくないから。……まだ、彼はこちらに気づいていない。だから、例えば今のうちに物陰に隠れてしまって、また自分だけで探して、そして見つけ出せさえすれば元の想いは叶う。もちろん、今の市川を見た山田にそんなことができるはずもないのだけど、そんなことも考えてしまうくらい山田の頭はぐちゃぐちゃで。みたいな。妄想ですけどね。

 

・ぶつかって、目が合って、しばしの無言の後にぽつりぽつりと言葉を絞る山田だけど、たぶん「家にも…なくて…」は感情を抑えて沈んだ程度の声色だが、「どこにも…」で一気に感情があふれたなとか、それを聞いたから市川も反射的に大声を出したんだなとか、漫画なのにそのあたりまで鮮明な想像が浮かぶからこの漫画は名作です。

 ・はい、じゃあこの辺で。次回はお風呂ね……お風呂?! ほんとにやりやがるの?! 私のなかではシリアス終わってないんだけど?! いっかいコメディ挟んじゃう?! いいよ!!!!