せんくつにっき

思うこと、感想、とかとか

僕の心のヤバイやつ感想『僕は楽しいのに』

・そういやそうだね、今回は不幸回って言ってなかったもんね。

mangacross.jp

・ホントの不幸回はわざわざ告知しない。それはそう。大正解。いやぁ、そういえばこの地雷も埋まってたなぁ~。意表を突かれた。

 

・山田のことを考えると、周りが見えなくなる市川。山田もきっと同じで、市川のことを考えると周りが見えなくなるのだろう。そして今話の最後、山田は市川のことを考えて、市川のことすら見えなくなっている。それが寂しい。山田のせいじゃないという市川の咄嗟の弁明、それも特別な「僕」という一人称でのそれも、山田の耳には届いてない。届いたところで山田の自省は止まらないだろうけど。

 

・市川のことを考えて、市川のことすら見えていない。これ自体私の勝手な読みではあるけど、考えようによっては冒頭からその状態であるとも言える。そのように見えるのは『まだ終わってないのに食器を片付けようとする』の一点だけで、単に不器用ゆえに空回りしてるだけかもしれないが。あるいは、不器用だから、相手のことも見えなくなってしまう。どちらも初恋で、だから器用になんかやれやしないのだけど。

 

・オチが次回以降に持ち越されているので、総括的なことは書きづらい。どうしても展開予想的になっちゃうな。さっさと頭っから行きましょう。個人の感想、考察です。(最近はあんまり考察と呼べるのはしてないけど)

 

・怪我人ライフ。弾む胸の描写にこだわりを感じますね。そして今度は原さんに置いていかれてる山田。ん?『青春っぽい』ジャージパスをしたいがためにわざとペース落とした? あの位置なら後ろから目撃されることもないし。まあ片手を使えない市川が当然受け取れるはずも無く、というか『運動神経ゼロ』って共通点出来たじゃん山田。よかったね。

 

・50%で間接キスだ! 市川も器から直に飲めば良いのに! 行儀が悪い? 育ちがいいなこのイイ子ちゃんめ! だけどあれだよ、スープをちまちまスプーンで飲んでたらそりゃ遅くなるよ。

 

・読書のお手伝い。ギャルゲならイベントスチルが入るとこですね。2人で1つの本を持つやつ。DDLCで見た。ここまでの近さじゃなかったけど……というかもはや1つの席に座ってるくらいの距離じゃないか。付き合ってもねぇのに軽率にカレカノの距離になりやがって。ここまで近づくやつも、幼児化した自分とママバージョンの山田を想像するやつもヤバイやつだよ。

 

・よくこの状況で寝れたな山田。一緒に本読んでたけど、内容に対するあまりの興味のなさに眠気が襲ってきたか? 理解できない本は睡眠導入材に使える。

 

・トイレはこれ、勃った……わけではないよな市川? 流石にそれはないでしょう。

 

・トイレどうするかって、お前「実は1人じゃ難しくて……」って返ってきたらどうすんだよ。どうしようもないだろ。いやどうしようもないことはないけど、学校じゃダメだよ。このあたりもそうだが、「お手伝いしなくちゃ」が先行しての空回りばかり。凹むね。良かれと思って、が不発になるのは凹む。

 

・真っ赤になった2人が可愛いですね。茹でダコどもめ。

 

・よく謝るようになったのは、山田がなにか変わったわけではなく、距離と関係が変わったから。特に今は介助があるから、謝られる機会が増えただけだろう。

 

・ハンカチ、持ってきたり持ってきてなかったりだな。というか持ってきてたのって2度目の雨回くらいじゃないか?イマイチ覚えてないが。仕事に行く日は親が気をつけて持たすようにしてるとか。

 

・服で拭いてって、バカかこの女? しまった、純粋な暴言が。いやだってさ、服で拭くなら自分の服使うよ。わざわざ人の服使うって、どこの王様だよ。それはそれとして、市川はたぶんこの「いいよ」でいろいろ妄想して自家発電を回すと思います。トータルでプラス!山田は気に病む必要なし!

 

・なんど見てもこの「いいよ」が面白いな。覚悟決めたみてぇな顔して、目まで瞑りやがって。

 

・足立さあ、こんなに2人の絡みを見といて、まだ気づいてないの? いやさ、両片思いとかまではあれだけどさ、「仲がいいんだな」くらいは思ってしかるべきだし、そこまで気付いたなら危機感を抱かなきゃでしょ。山田が好きなんならさ。まさか気づいたうえでこのムーブか?だったら足立『さん』と呼ばざるを得ないが、うん、ないな。まだしばらくは道化のままだこいつは。涙出てきたな。

 

・凹み山田。珍しい顔してますね。この不器用さとかはどうやら山田のコンプレックスで、ゆえにそのあたりが抜群に上手そうな原さん(『女の子らしい』)が市川と絡んでると危機感から人殺しの眼を向けてしまう。

 

・市川のこのモノローグ好きだな。いや、『足立にも劣る器量』のほうじゃなく。これは純粋な暴言ですよ。口に出したらダメなやつ。そっちじゃなく、「…なんて軽薄なこと…」の方。当たり前。

 

・軽薄なのは言葉の内容ではない。山田と一緒なら楽しいというのは間違いなく市川の本心だ。至らなさで凹むことや、好きになりすぎてこわくなることもあるだろうが、だからといって一緒にいたくないわけはない。その段階はとうに過ぎている。そんな本心からの言葉が軽くて薄いわけはない。ただ、市川は真面目だから、全部ひっくるめて「山田が好き」で、それを伝えてない今、恋愛感情を隠して告げる「一緒にいて楽しい」という言葉が、相対的には軽薄なものになってしまう。

 

・先に深読みの方を開陳したが、単に言葉自体のもつ軽薄さ、チャラさに照れが来てしまい口に出せないというのももちろんある。

 

・いずれにせよ、言葉ではストレートに励ませないから別の方法を模索し、それを実践するというところに市川の成長を感じる。すげえ化粧してんなおねえ。成人式だからしゃあないとはいえ。

 

・機嫌が戻ったのを見て安心する市川がいいですね。ただこれでちょっと気が緩んでしまったか。骨折はウケないんだよ。山田に最初写真送ったら慌ててテレビ電話かけてきたのを忘れたか。

 

・山田のこの絶望顔(でいいだろうか)よ。凹み顔より珍しい。このくだりは読者含めて全員が不意打ちだったな。骨折に自分が関わっていたと知る山田、隠すつもりだったのに気が緩んでいた市川、まさか不幸回とは思ってなかった読者。なんだかんだ山田にクリティカル出して終わると思ってたでしょみんな。私がそうです。

 

・山田に責任を感じてほしくないから隠していたし、山田がそれを口に出そうとしたら大声で遮り否定する。だけど山田には届いていない。大声を出すなんて市川にとって珍しいことだけど、山田は市川を見ていない。うう、胸が。

 

・ごめんね、の山田の顔よ。ほんと絵が上手くなったな。こんな見てて苦しい表情あるかよ。

 

・そうだ、雪が降るなんて何気ない話題を振ったりして平静を装ってる山田だが、これは市川を気にしてのことだ。市川は山田に責任を感じてほしくなくって、それを汲んだからこその話題で、表情だ。汲みきれていないし、隠せてもないけど。この辺頭がこんがらがってきたので夜の余裕のあるときに書きます。とりあえずここまで。

 

・今話のこのヒキでこの扉絵をかましてくる先生、なかなかになかなか。呪術廻戦の『もしも』とかチェンソーマンの例の水族館の扉絵と似た方向(重ねたくないのに重ねてしまう)で心を揺さぶってきて、私たちはこのまま年を越さなきゃいけないの? マジ? 前のガチ不幸回では間を一週間にしてくれたのに、あれは初回限定ですか? 情け容赦はなかですか?

 

・軽薄になれたなら。ほんとだよなぁ。軽薄じゃないから市川は市川で、だからこそ彼に『軽薄』は難しく、山田はそんなところにも惹かれたのだろうけど、しかしこの場に限って言えば、その軽薄で事態が好転したのかもしれない。気落ちする山田の気をまた晴らせたのかもしれない。実際のところは誰にも分からないけど、市川はそう思ったし、苦く辛い今は自分が『出来ない』ゆえに訪れたのかもしれないと思い至れば、「軽薄になれたなら」、そんなもしもで後悔してしまう。

 

・山田の気持ちにも頭を働かせよう。好きな人が骨折していて、その介助をしている。大手を振って触れ合えるのはすごく嬉しいし、彼が頼ってくれるのはもっと嬉しい。だけど、どうにも慣れずに失敗ばかりで内心凹んでいるところに、その怪我は実は自分のおねだりのせいで、たまたま骨折で済んでいるけど、もっと大事になる可能性だってあった。場合によっては大怪我や、あるいはそれ以上も。……そりゃまあ、想像するだけで胸が痛む。『自分のせいなのに』触れ合えて嬉しいだの、『自分のせいなのに』頼ってくれて嬉しいだの。そうだ、少し前(2話前)に自分が言った「なにがごめんなの?」もある。好きな人は自分のせいで誰かに頼らなくちゃいけない状態なのに、ちょっと関係を否定されただけであんな責めるようなことを。

 

・実際問題大前提として、山田は悪くない。原因の一端を担ってはいるし、それは大きい一端ではあるかもしれないが、だからといって責任が発生するわけではない。いったい誰が「雪景色の写真をねだったら、崖から落ちるかも」と予想できるというのだ。誰が悪いかと言えば一人で勝手に不注意ゆえに崖から落ちた市川が完全に悪く、過失割合もクソもない。強いて言えばあの崖に注意喚起や柵の一つも置いてない土地管理者も多少悪いが、それで終わり。山田の出る幕はない。

 

・そうやって市川から「山田は悪くない」をいくら伝えたところで、山田から自責の念は消えないだろう。市川が優しいことを山田は知っているから。こういう時はあれですね、おねえに頑張ってもらいましょう。成人だし、中学生からしたら超大人だ。ちょうど山田が責任をあっちにも感じそうで、なんならそれを伝えそうですらある。そこでこう、快活に笑い飛ばしていただいて。

 

・雪景色を送って欲しいとねだって、それが届いた。山田に責任が発生するとするならば、お礼とともに景色の感想を告げることで、なんならいつか連れて行ってねと言ってもいい。否、言え。

 

・なんか感想からすらずれてってる気がするのでこの辺で。書きたいことあったらまた追記するけど、さてどうだろうか。ここしばらくそう書いては特に追記してないしな。次回更新は1月5日。年と連休が明けるのを待ち望むのは初めてだよ。そんな感じで。山田と市川、ついでに足立に幸あれ。