せんくつにっき

思うこと、感想、とかとか

201130日記 ネタバレの話

・感想も考察も、一種のネタバレではあるよな、みたいなことを考えていた。作品そのものを読まずにその内容を一部でも把握できるのだから。作中描写を事細かに解説するようなものでなくともだ。

 

・ネタバレの何がよくないかって、『この後』を知らなければこそ抱ける感想を未履修勢から奪うことだと思う。伏線やどんでん返しがキモの作品につけられる『伏線が凄い!』『最後の1秒(1行)まで目を離すな!』みたいな宣伝文句が批判を浴びてきたのを知らない人は少ないだろう。『そういう』作品なんだなと知ってしまうだけで読み味は全く違うものになる。「ドキドキハラハラは好かないから、そういうのがあるなら知った上で読みたい」みたいな人もいるだろうし、そういう人向けのネタバレもあるだろう(その映画で犬が死ぬ/死なないだけ教えてくれるサービスなんかがあるらしいが、そんな感じ)が、そうでない人がそのネタバレを踏まないように適切ゾーニングはされているべきだろう。

 

ゾーニングの話は置いといて。伏線やどんでん返し以外にも、例えば最近、ある作品におけるミステリアスだったとあるキャラについて、目的などがようやく判明した(いつもの日記ではここまでボカさないけど、まあ今日はこういう内容なので)。現行連載作品なので、当然のように私のTLにはそれに対する感想だったりが流れてくるのだけど、先にこの事実を知ってしまえば、事実判明前まで私がそのキャラに感じていた底知れなさや不気味さは少なくなってしまうだろうなと思う。

 

・そこまで考えて、ふと思った。上のセンテンスではネタバレを軽々に「よくない」と書いていて、これは「倫理的に、マナー的によろしくないよね」という意味だが、じゃあ、刑法上はどうなんだ? 

 

著作権の話であればわかりやすい。あれは親告罪だが、告訴がないと公訴できないというだけで、告訴(親告)の有無にかかわらず犯罪であることは揺るぎなく、だから明確に『よくない』し『悪い』。では、『ネタバレ』はなに罪に当たるんだ? あるいは、当たるのか?

 

・ネタバレによる訴訟について、観測域で話題になったことがあった。さほど紛糾せず、異なる岸で嫌味を言い合うくらいに終わったのだが、その中身を見てなんとなく「ああ、されるとしたら民事訴訟なんだな」と思ったことを覚えている。画像を貼ったりは著作権侵害でアウトになるだろうが、それは『ネタバレ』そのものが罪に問われるわけではなく、ネタバレそのもので食らうとすれば機会損失による損害賠償請求になるだろう、みたいな。

 

民事訴訟の被告となる可能性は常にある。リスクと捉えるのもいいが、そのリスクは0にはならない。訴訟され、最後まで戦えば勝訴だの敗訴だのも出てきて、悪かったかどうかも決まる。逆に言えば、結果が出るまで悪かったかどうかは決まらない、ということだと思っている(法律についてはよく知らないので、これは知識のない素人考えです)。ネタバレを貼り、それを読んだ未読者が作品を読む気をなくし、結果として損害が発生したと認められなければ

 

・感想だろうが考察だろうが、ネタバレになりうるのなら抑えといたほうがいいよな、が私の考えで、行動指針だ。それはネタバレを『悪い』とする考えが元になっているが、その考えには法律という後ろ盾が現状ない。ここがわりと法律的にもアウトな著作権の話とごっちゃになるが、ネタバレはあくまで自分の中の感覚に従った『悪い』でしかないというのは、とりあえず把握しておかなければならない。