せんくつにっき

思うこと、感想、とかとか

僕の心のヤバイやつ感想『僕は利用された』

・お……おもってたよりキツいの来たな……。クリフハンガーは予想してたけど……。ちょっと落ち着かせよう。心を。

mangacross.jp

・いかん、最後のインパクトに全部思考が持って行かれている。

 

・山田の最後の行動、気持ちは嘘偽りではないけど、市川を利用したのはその通りだし、付き合ってない関係であの行動は『嘘』で間違いない。しつこい男を牽制するという目的も間違いではないから、市川の思考はおおむね正解なのだ。そして、市川はいいヤツだから、ナンパイの気持ち(振られた)を想像し、山田はそれを考えてない(分からない、か、知らぬフリをした、なのか)。

 

・山田はナンパイの気持ちを考えずに、嘘の行動で傷つけた(本当に考えてないか、傷ついたかは分からないが、少なくとも市川の目線では)。市川はそれを見て、自分が南条先輩の立場にならないと、自分は騙されて傷つけられることはないと、そう思えはしない。

 

・『裏切られた』『利用された』が、ラストの市川の思考の軸になっている。ここ最近山田からのアプローチで仲良くなれたのは、全部今日のような時のためなんだと。この勘違いは、今までのような結果オーライのすれ違いではなく、ちゃんとぶつからないと解消できない、そんな気がする。

 

・落ち着いてきたので頭から書いていきましょう。切り替えて。

 

・久々登場『君色オクターブ』。主人公は『冷たくてぶっきらぼうだけどーー実はすごく優しくてーーたまに可愛くてーー不器用でーー』市川じゃん。「そんなやついるわけないだろ!!」って、お前じゃい!! は読者の総意で相違ないんじゃないか。借り物を粗末に扱っちゃあだめだよ。

 

・君オク、見た目に関してはヒロイン完全に山田と同じツラだな。

 

・好意により主人公の周囲をウロチョロするヒロインと、ここ最近の山田とを重ね合わせる市川。これが雑念だそうだが、読者の視点からすれば「雑念じゃねぇよ正解だよ!」ってなる。なるけど、市川の思考はしょうがない。少女漫画のご都合主義、漫画表現的好意の表出を見て現実の答え合わせとするのは、誰だって苦笑いする思考だ。

 

・そんなこんなで3ページ/日しか進まない。明日からは進むのかな……と思って、ちょっと気分が落ち込んだ。ああ、読まずに返して「もう(後の巻は)いい」って告げてる未来を幻視してしまった……。ありそうでイヤだ。

 

・久々のナンパイセン。今更気づいたけど、目の書き方簡単だなこいつ。髪型だけイケてる風にしてるけど、顔はそうでもないよって表現か? そんな残酷なことある? そんでわざわざ朝に下級生の教室前まで来るとは。荷物も持ってないし、一旦教室に置いてから来たか。バヤシコ回で海に誘ったのもあれ同じ時間だっけ? ともかくだいぶ本気だなこいつ。

 

・新キャラ登場。ナンパイセンの嫁面幼なじみ系キャラであることは一目で分かる。アクタージュのヒナみたいな。感想記事で他の漫画を出すんじゃない。

 

・市川、立ち位置的にビッチさんとかと並んで様子をうかがってたのかこれ。ビッチさんも何も思わなかったんか。

 

・朝の出来事を受けて、市川にゲームでのアプローチを試みる山田。ナンパイセンから学びを得るな。「(そういうやり方もあるのか)」じゃあないんだよ。手元の練り消しは『なんでもない風』を装ってか。こういうさりげない表現好き。

 

・市川に哀しい過去ーーー。いや、言うほどじゃないが。友達も優しいし。発言者だけ永遠に記憶してたまにフラッシュバックする系黒歴史陰キャはだいたい持ってる。それにしても、予告のときから思ってたけど、パーカーの子はこれ神崎くんじゃない? 顔がずいぶん似ている。単なる書き分けのあれなら申し訳ないけど。

 

・市川を家に呼ぼうと詰め始める山田。恋愛に積極的だなぁって感じ。上では「ナンパイセンから学びを得るな」なんて書いたが、(やり口はともかく)本来2人のように動かないとそうそう恋愛成就は叶わない。

 

・良いところで邪魔が入る。キャラデザ凝ってるので(石室君よりよっぽど)再登場もあり得るナンパイ嫁(仮称)だ。やっぱり嫁面だった。年下に対してだけど、山田『さん』呼びなんだな。モデル効果だ。そしてナンパイセンの本名判明。南条ハルヤ。今日イチどうでもいいな。

 

・彼氏の存在を否定する山田。(主に市川に)誤解されないように必死。必死なのはいいけど、その後に市川に対して念押しするのは露骨が過ぎる。ナンパイ嫁も秒で看破だ。これがちょっと痛かったな。

 

・山田に彼氏がいないことは、市川にとってはとっくに知ってる事実なので、そこまで必死になる必要があったかは微妙。けどまあ、下手に濁したらそっちの方がめんどくさいし、市川も「(はっきり否定しないってことは……?!)」となりそうなので、仕方がない部分はある。

 

・ナンパイ嫁に気づかれた(市川視点では勘違いされた)のを察した市川。同時に嫌な予感。市川も『ナンパイ嫁が嫁面してる』『ナンパイは山田を狙っている』ことは知っているから、『察された(勘違いされた)』を加えると、次に取りそうな行動は予想できる。

 

・(たぶん市川の予想通り)ナンパイを引き連れて戻ってきたナンパイ嫁。目的は、ナンパイに2人を見せて山田を諦めさせるためだろう。ナンパイ嫁にとってはすぐに看破できた事実だから、後に山田が取った行動ほどのものがなくても、ナンパイも察するだろうという打算も匂う。

 

・図書室に来た2人を見て、山田もそれを察したのかは分からない。市川を引き留めた顔は無表情だ。だが、結果的にはナンパイ嫁の目論見に乗った形なのは間違いなく、そしてすこしやり過ぎた感は否めない。その場の全員の予想をぶっちぎった。

 

・キスの振り。明らかにナンパイに見せつけるためで、目的は市川の予想通り牽制だ。この行動、ナンパイの気持ちどころか市川のことすら置いてけぼりであり、完全に山田が自分のエゴで取った行動だ。いや、もしかしたらナンパイ嫁の意志は汲んでいたかもしれないし、市川なら分かってくれるとも思っていたかも知れない。ともかく、はっきりと自分の言葉で拒否することもせず、市川を利用して振った形を取ったのは、善悪に対し少なからず潔癖な気もある市川にとってはショックだった。

 

・モノローグにあるとおり、市川は山田をどこか特別な存在だと捉えていた。私はそれを『山田信者なところがある』と評していたが、今回その信仰が崩れた形だ。市川が等身大の山田を見ていないというのは何度も描写されていて、これもまた勝手な話で、信仰の崩壊と同時に市川自身もそれを理解した。けど、山田との出会い以前からあったと思われる『世の中は汚い』と言う考えはむしろ補強されてしまった形だ。

 

 

・ラストのアオリ、『2人過ごした時間が、京太郎の心を切り裂いていくーーー』。イヤになるくらい良いアオリだ。ひねくれた市川が『学校が楽しい』とまで思えるようになった今までのあれこれが、実は虚像だったんだと、それが結局市川にとって1番ショックだったのだろう。

 

・山田の行動はナンパイに対して誠実ではなかったし、それを受けての市川の思考も、勝手な信仰崩壊とひねくれが強いかもしれない。だが、どちらも(少なくとも初恋の終わりを引き起こすほど)悪いことをしたとは思えない。今までもあったすれ違いと同じで、今回は負の方向に作用してしまった。

 

・どうなんだろうなぁ。市川は山田のことを嫌いになるだろうか。市川の中で山田がいかにもな悪女になっても、それでも嫌いにはなれない気がする。

 

・更新が来週でよかった。マジで。一月も待たされたらほんとにどうにかなるぞこれは。今でさえ思考も文章もまとまってないのに。

 

・ちょっとまた落ち着いてきたので、今のところの考察について、頭の整理がてらこそこそ追記。

 

・恋人の振りという山田の行動。私は『ナンパイに見せつけて、諦めさせるため。ナンパイ嫁がナンパイを連れてきた意図もそう変わらないが、それを山田が汲んだかは分からないし、汲んでたとしてもそれはサブの目的』という解釈。確たる根拠はなく、なんとなく山田ならそうかなという程度。だから、『ナンパイ嫁の恋路の応援がメインの目的』や『市川に対する強硬手段』というのも否定はしない。前者だと、市川がうまいことやってた『原ー神崎カップル応援行動』を、善意から自分もやってみたという意図も見えてくる。

 

・『市川に対する強硬手段』説はともかく、サブだメインだは関係なしに、山田が狙ってた効果は『ナンパイセンを諦めさせる』でしかなくって、市川の潔癖さはその目的に引っかかった。同時に、市川を利用したのも間違いなく、山田の意図はこの際どっちだろうが関係ない、というのが私の解釈。悪いとかじゃない。

 

・以下、行間かつ妄想。最初、市川は怒ったのだろう。場面が自室に変わるまでの間、その最初において、理由の分からない怒りが、山田に対して。それは山田のナンパイに対する不誠実さから来るもので、一言で『可哀想だ』という想いだ。もしかしたら自分の未来にも投影したかもしれない。そして、怒りの原因に思い当たり、火種となった不誠実さを他でもない山田が発揮した事実を直視し、信仰の崩壊が起こった。信仰について、『山田に騙されていた』と一瞬でも考えたかは定かではないが、最終的には『僕が勝手に』となっている。崩壊に伴う感情を、市川は自身に向けたのだ。これがつらい。

 

・今話、最終的に『最初から、全部、そうだったんだ(嘘、偽りだったんだ)』で〆ている。同時に、市川は世間はそういうものだという考えも持っており、今回の出来事はその中で山田は特別なものじゃないと気づいただけだ。そうなると、そういう行動をとった山田が悪い、ではなく、勝手に勘違いした、世間に迎合できてない自分が悪い、になる。今までの思い出も、もしかしたらという想いも、全部自分が勘違いしただけ。自分はまだ、山田に傷つけられたわけではない。嘘で傷つけられたのはあくまでナンパイで、自分は勝手に傷ついてるだけだと。

 

・山田がそこまで特別な存在じゃない、という気づきは歓迎すべきものだ。そういう意味で、今までは不健全だし、初恋成就の障害になると思ってた。今回のような出来事は、程度はともかく不可欠だ、と思う。

 

・今後。そうなっては欲しくないが、市川が完全に諦めるというルートも見える。山田と意図的に距離を取るか、あるいは表面上は何もせず、何も気づかない顔をして、男避けとしての立場に甘んじるか。

 

・望む顛末としては、頭の方で書いたとおり、結果オーライのすれ違いで済んで欲しくない、だ。ちゃんと話してぶつかって、過程で悪いことがあったら互いに謝って、そうしてやっとちゃんと友達になってほしい。あと、ナンパイはしっかり振られて、すぐさましれっとナンパイ嫁と付き合っててほしい。

 

・扉絵きたのでぼちぼち追記。

 ・い、意味深な扉絵と言葉……。山田の手をすり抜ける蝶は、そのまま市川のことを暗喩しているでいいだろうか。本編時系列は真冬なのに格好が春っぽいのも気になるが、これは深読みの気配がする。見栄え優先と思っとこう。『このままだと、春のころには完全に疎遠になる』なんて、想像もしたくない。

 

・『市川はまだ自分の心の中を知らない』。ふむ……? なんのことか、真っ先に思いつくのは『山田と付き合いたいという本心』。一巻で市川は山田への好意を自覚したが、それをイコールで付き合いたいとは結び付けていなかった。自分のような人間が、山田と付き合えるはずがないという諦め。それが本心に蓋をしていると解釈していたが、まさか『知らない』と、つまり無意識で蓋をしていたと、そこまではあまり思ってなかった。

 

・どうだろう、市川がちゃんと山田と付き合いたいと思ってて、なんならそのために行動さえしていたとして、付き合う前に今回のようなことが起こっても、やっぱり市川は同じように思ったんじゃないだろうか? それとも、『山田と付き合いたいと思い、動く市川』なる存在は、虫払いにされたことを気に病まないだろうか。そんな気はする。結局蓋は『付き合えるはずがない』という諦めで、卑下で、自尊心の低さだから、それが無い市川は、虫払いにされたとは解釈してもそれだけのために山田が近づいてきたとまでは考えない。

 

・妄想の中の市川で長々書いちゃった。いつもかそれは。

 

・『知らない』が『山田と付き合いたい本心』だとして。それを今まで『知らな』かったのは、完全に自己防衛だろう。まず『付き合いたい』があって、『付き合えるはずがない』が蓋になったのだから。一瞬は剥き身の本心が、(市川にとっての)現実に刺され、それに耐えられず蓋がされた。叶わない願いを、そうと知りながら抱き続けるのは辛い。願い自体を忘れるか、達観と悲劇に浸り酔うか、だ。

 

・上で、今後について『市川が何も気づかない顔をして、男除けの立場に甘んじる』可能性について書いたが、これ深く考えるとキツいな。何がキツいって、山田から見れば一時は悪いことにはなってないのだ。なんなら人前で避けられることが無くなるぶん、距離が縮まったと錯覚する可能性すらある。あまりに虚しい。

 

・うう、変なバットエンドを勝手に想像してネガティブになってら。世話ない。とりあえずここまで。何かあったらまた追記。いろいろ書いてるけど、ただ一つ確定してるのが、来週の更新時は絶対に仕事を休むということだ。