せんくつにっき

思うこと、感想、とかとか

僕の心のヤバイやつ感想『僕はキモい』

・僕はキモい。うん、今回はまあ、うん。キモい。衝動に駆られての行動、特に恋愛が絡んだそれなんてのは、キモいとカッコいいのどっちが勝つかで印象が変わってくるんですけど、カラオケにこっそりついていくのは、私と言う読者目線で見てもわりとキモいが勝つかなって感じ。それも市川なんだけどもね。

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・それはそうと。はよ告白をしろ!!!! なんだ今の状態!!! 両想いで、互いの好意には気づいてて、気づかれてることにも気づいてて……あれ、市川は自分の好意が山田に気づかれてるとは思ってないのか。ややこしいな。え、確かこの話が7巻最初になるんですよね。じゃあ……(メタ読みすれば)少なくともあと数話はこのもどかしいのが続く……ってコト?!  勘弁してくだせぇ。今回の山田のだって挙動不審の言い訳の体をした告白みたいなもんというか、ナンパイに向けた「好きな人がいる」を市川に「お前のことだぞ」とラッピングして再配達したカタチだし、それに対して「男バスいるから嫌だなって」も、これももうお返事みたいなもんでしょ。ヘイヘイ言ってる場合じゃなくないですか山田さん。

 

・山田はどこまで市川の好意に気づいてるか問題もそういえばありましたね。私としては、ずいぶん前から勘づいてはいるという学説をずっと支持しています。じゃなきゃあんなヘイヘイ言えませんて。「ホント私のこと好きだなぁ」みたいな意識がないとさ。時たま不安がったりしてるのは、それこそ「言葉にされてない」というのと、冒頭の市川がモノローグで語っている「落差」の意識によってのものじゃないでしょうか。

 

・告白成就の暁には、2人とも泣いててほしいですね。これは闇の僕ヤバおじさん的なあれでは決してなく、悲しみ以外の感情であふれる涙が大好きなだけです。「感極まって」だと言葉が綺麗すぎる。暖かくて明るくてぐちゃぐちゃな感情。

 

・話がずれてきたな。さくっと頭からいきましょうか。個人の感想です。

 

・おねえご乱心。なんで録音しとんねん。そんで家族みんなで見るのは勘弁してやってください。素面で聴くもんじゃないんですよ。それこそ「光と出会ったから」とかはさ。卒業式と言う(多くの人にとって)エモい瞬間だから受け入れられたんですよ。それはそうと、市川母はこれ泣いてます? 立派に育った我が息子を見て。笑い泣きだったら相当いい性格してるけど、さすがにそんなことはないでしょう。あと、市川家に市川父がいるのも地味に初めてじゃないでしょうか。

 

・「僕が好きなんだ」が一晩経って「僕が好き……?」になってるの、市川お前そういうとこだぞ。そんでそっから嫌われないようにと思考を持ってくのもだ。関係を! 変えるだよ! 友達から恋人に! それがスムーズに出来たら陰キャじゃない。それは本当にそう。ぶっちゃけ「あいつ俺のこと好きなんだ!? じゃあ告白しよ!!」って市川は見たくないですしね。勝算のありなしとはまた別の理由で行動を起こしてほしい。なんだこのめんどくせえ読者。

 

・絡むタイミングがない……図書室は? 卒業式も終わって半日授業ってことだろうか。そのあたりの記憶は遥か彼方に飛んでいってるし、そもそも学校によって違う(だろう)から覚えてたとしても当てにはできないか。設定上どうなってるかってだけである。そういえば先日のツイヤバ「もちもの」だと、時間軸は明確に卒業式後で、しかしまだ恋人にはなっていない状態での図書室での一幕だった。なんか考察しようとすればできるけど、あれがどこまで本編と整合取れてるかって問題はあるんだよな。

 

・バスケ部のカラオケ会を聴きつけてからの、男バスがいるのかとストーカー。うーんキモい。市川も自認してるが、これは相当キモい行動。これで付き合ってないのだからなおキモいが、付き合っててもまあまあキモい。キモいし重い。思う想いは重く募るばかり。

 

・楽しそうだからと参加したはいいものの、バスケ部としては時間も体験も共にしてないから必然的に疎外感を覚える山田。伝説と言われても、西中の後半なんて知らない話だ。こっそりついてきた市川を好意的に受け入れたの、そもそもの好意や挙動不審の引け目もあるだろうけど、この辺の「ひとりぼっち」って状況もあるんでしょうね。仲間外れ同士でつるむってわけじゃないけども。

 

・どうなんでしょう。美人で事務所モデルをやってる山田は、必然的に学校での存在が大きい。後輩からは慕われ、先輩からも知られている。今回山田が誘われたの、元バスケ部で、どうやら部においては中心人物的な小林の親友でってこともあるが、山田そのものの存在の大きさから『無視はできないよね』ってことなんじゃないかと思っている。で、今後仕事が多くなり学校での時間が少なくなるにつれ、クラスにおいてすら山田が疎外感を覚える……みたいなこともあるんでしょうか。決して仲間はずれにはされないだろうが、それでも同じ時間を過ごしていなければ共有できないものはある。

 

・3年女子に絡まれる市川……あらためちいかわ。「ワッ…や…あ…」はもうちいかわだよ。そしてこの3年勢が出すハートマーク……! ああいけません、山田がまた人殺しの眼に……。山田市川両名なんですが、独占欲を表明するならまず関係を持ってからではないでしょうか。

 

・マジレスする小林の顔、怖い。無邪気さが怖い。いやまあ確かに市川は「なんでいるの?」なんだけどさ。嫌そうな顔でもなく、もちろん楽しそうでもなく、ただただ純粋になんでいるのだろうと思ったから「なんでいるの?」と発するこのイノセントガール。気遣いなんか皆無です。ぶっちゃけその無邪気さで人を傷つけたこともあるでしょたぶん。

 

・「楽しいパーティーを監視するキモいストーカー野郎」。一言一句否定できなくて笑うが、当人にとってはわりと絶望的なシーン。好きな人も自分を好きだとわかって、自制したのについ調子に乗って嫌われた(と思ってる)わけなので。「嫌われた」もキツイが、「調子に乗って失敗した」ってとこが特にキツイんですよね。

 

・実際のところ、山田にとっては市川が来てくれて嬉しいまであるわけだが。市川が落ち込みきる前に部屋に来て「嫌いになってない」ことを態度で表明してその絶望を拭った山田といい、互いに相性とタイミングが合いすぎる。お似合いだ、ということです。

 

・「”好きな人がいる”(中略)それ――…」。い、言えーっ!! 言えーっ!! 逃げるなぁ!!!! 言うんだよ! 今! ここで! くそ、『ピャッ』じゃないんですよ。まあ、その後の独白が素晴らしかったのでよしとしますが、次はないからな。告白未遂はそう何回も擦ることじゃないです。

 

・ほとんど成功する見込みの告白ですらこうなるのだから、失敗すること前提の告白をそれでも敢行したナンパイには、改めて帽子を脱ぐしかないですね。

 

・言葉にしたら気持ちがもっと。ここ大好き。市川も大晦日に似たようなことになってましたね。53話。あの時は「僕からいつかは」ってモノローグで言ってたし、つまりそういうことなんでしょう。期待してるからな市川。「僕から」だぞ。

 

・「(集まりに)男がいるから嫌だなって」はだからもう付き合ってる男の言葉なんよ。彼女を同窓会に行かせたくない男のそれなんよ。「好き」と言葉にすること、それを伝えることは絶対に大事だけど、だからこそ、付き合ってもないのにその束縛心を表明するのはおかしくないですか。なんで山田も受け入れてるのか。これで「実質付き合ってるだろ!」って言うやつぁ恋愛をわかってないんだよって扱われるの、若干納得いかねえぞおい。

 

・キモさに向き合う。なんかこう、オチにピンとこないな。楽しいパーティーを監視するストーカー野郎であることは間違いないし、そうじゃないにこしたことはないでしょう。不安がる気持ちは「好き」由来なのだから大切なのは間違いないし、カッコつけて(キモさを否定して)興味ないふりをするのは確かに良くないだろうけど、その結果出力された行動があまりにも良くないというか、たまたま今の山田に受け入れられただけだって印象があるので。

 

・うーん、別に自分の行動を肯定しているわけではないのか。「向き合う」だし。取った行動はそれとして、それを誤魔化すことはしないと。自分の気持ちをほとんど包み隠さず伝えてくれた山田を見てそう思ったってことだろうか。

 

・それとも、私は取った行動だけをキモいと思ってるわけだけど、市川は行動の発端となった「過剰に心配する気持ち」からキモいと思ってるってこと? 「キモいと向き合う」と言われて「ストーカー行為を肯定するの…?」って私はなったけど、そうではなくて、自分の気持ちに向き合っていればそもそもこっそりついてくるなんてせず、山田に対して初めから「男バスいるから嫌だなって」って伝えられたと、そんな感じ? いやけどなぁ、この話の頭から言ってるのはずっとキモい「行動」の話だし、違う気がすんなぁ。

 

・なかったことにはせず、取り繕ったりせず、ありのままで接しようってことなのかなとはなんとなく思うけども、正直私は「好きでいてもらう努力」「好きでいる努力」は必要だと思っているので、キモさをそのまま受け入れてもらおう、受け入れられなければダメだったってことで……って考えには賛同しかねる。おまけ4コマではやっぱり「キモくならないように」してるし、好きでいてもらう努力を否定しているわけじゃないとは思うが、「キモさと向き合う」ってなんとなくその方向のニュアンスなので。うーんわからん。深く考えずに「やっちまったもんはしょうがない! 嘘はつかん!」でだろうか。

 

・とりあえずここまで。