せんくつにっき

思うこと、感想、とかとか

僕の心のヤバイやつ感想『サインの練習した』

・短編が来やがった!飢えた体に染み込むな、僕ヤバは。特定の人間が摂取すると、強い多幸感と依存性が得られます→BKYB。

 

 

・ああ最高だ。山田は杏奈と呼ばせたいし、市川はそれに気付いて呼ばないようにしてるし、山田は気付いてることに気付いてもなお呼ばせたいし、市川は気付いてることに気付いてることに気付いても呼ばないし。勘違いのないコミュニケーション。強いて言うなら市川は山田の動機を(おそらく)からかいと勘違いしているが、山田はそう取られていることにやはり気付いている。気付きが連鎖してゲシュタルト崩壊だ。新しいサイン? 最後に書いたやつがいいんじゃないですかね。公的書類へのサインですが。

 

・しかし公式から『市川杏奈』という単語が飛び出すとは。えらいことですよこれは。何度も見たような気がする文字列だけどね。山田の動揺を『結婚まで想像するほど』と言うとあまりにも卑しいが、ある意味では中学生らしい。意中の子の苗字に変わる想像(あるいは逆)って、結婚生活への想像が一ミリもなくても、むず痒く楽しい気分になれる年頃だろう→小中学生。

 

・一コマめ、こういうこと感想で声高に叫ぶのはちょっと品がないけど、どうしても言いたいので、胸がデカすぎる。どうなってんだ。もっとやれ。

 

・「ね、ね」だって。こんな親しみに溢れた呼びかけあるかよ。饅頭みたいな顔しやがって。山田→市川の気やすさがカンストしてる。

 

・ところで、このサインについて尋ねるやつ、山田が対市川で自らの『モデル』要素を会話に盛り込んだという点では、初観測じゃないですかね。意図的と取れるほど(取れるったら取れるんだよ)、市川との関係の中に自らがモデルであるという事実を持ち込まなかった今までを念頭におくと、考察が捗る。考えようによっては、『モデル 秋野杏奈』と『市川京太郎』が初対面するイベントがどっかであるのでは……というやつ。「作者の人そこまで考えてないと思うよ」? うるせぇこれが楽しいんだ。

 

・普通の男子中学生である市川にサインがあるわけねーだろ、練習しよ、じゃあないんだよ→あったわ……。なんで『きょう“し“ろう』なんだ。良い『た』が無かったか?『狂多狼』じゃダメだったということは、全文字がカッコいいことがベストと、そういう価値観か。

 

・策を弄した山田。思いつきである、に一票。いやどっちでも可愛いんだけども。

 

・「ちゃんと読める?」の真意は、全会一致で下の名前呼びキボンヌなんだろうけど、山田としては、建前は『ちゃんと読めるサインになってるか確認』なのに対し、市川は『筆記体の英語が読めるの?』と取ってて、細かいところですれ違い。市川は『バカにして』と考えてるけど、そもそもこれが『市川についての質問』であると取るのは、自己評価は低いが自意識が高めで、最高に市川だ。

 

・作戦、失敗! さほど残念そうにせず、『気付いたか』みたいな顔して追撃するのは、経験値積んだなって感じだ。たしかに『n』が多すぎるから、ちゃんと読んだら『あんんな』みたいにはなる。だけど、他に選択肢がなかったといえ、『ちゃんと読んだらこうなるから!』は、『じゃあちゃんと書いたら呼ぶんだな』と、そりゃあなるよね。

 

・そっからのジャレ合いが最高。だって、市川はかなりの無理筋で『あんな』呼びを回避してるけど、それって『気恥ずかしいから呼べません』と白状してるようなものだし、山田は山田で『なんとしても呼ばせてみせる』を隠そうともしない。互いに意地になってるのは間違い無いけど、付き合ってからやっていただけませんか。前回のゾンビの時も思ったが、さてはもう付き合ってる?

 

・出ました『市川杏奈』。想いを気づかれたくないなら何でもない顔をするのが1番だと知ってるだろうに、出来なかった山田。市川は見えたのかな。山田の手で隠れているように見えなくもない。にしてもえらいイケメンだな。

 

三者面談時に、自分が市川のことを下の名前で(本人不在だが)呼んだことを覚えての策と考えるのが自然か?

 

・ところで、山田が欲しかったのは、『杏奈と呼ぶ市川』か、それとも『照れながらも不可抗力で杏奈と呼ばざるを得ない市川』か。実は後者で、一発目は市川が狙いに気付くとこまで想定していたんじゃないかと、愚考ながらもそう思った次第です。

 

・ところで今回もそうだけど、僕ヤバのTwitter短編、ほとんどが2年の冬の出来事のようだ。3年の春以降と思われるやつが、覚えてる限りでは二つしかない。アイスのやつと手押し相撲のやつ。それも、アイスは『冬にイートインで上半身半袖でアイス食わんだろう』という憶測、手押し相撲も、『それほど激しく動かない室内運動で、冬に半袖にはならないだろう』という、これまた勝手な憶測だ。Twitterが正史になるとは限らないが、Twitterでも春以降のことは書かないの、それなりの大きなイベントを期待してしまう。

 

・ここまで。あのノートもまた宝物かな。

 

・続きが来たので追記。

 

・気を取り直してか、結局筆記体のサインに決定。Aが星みたいになってるのがカワイイポイント。火曜日に更新した方で、1番最初に市川に提示した2つ、完全に自分の感覚で言うと、下はなんかアイドルが書いてそうで、上はまさにモデルが書いてそうな感じだった。決めた方に近いのは上で、やっぱり山田はモデルとかその方向で大成したいのだろうか。コロ学はモデルっぽくない仕事だけども。

 

・「初めては市川にあげる」……。いや、『山田は』なんの他意もないのは間違いないんだけどもさ、『桜井のりおは』他意バリバリでしょうよこのセリフ。なぁ。『みつどもえ』『ロロッロ!』の作者が、何の含意もなくこのセリフを選んだとは言わせんぞ。

 

・このサインが高値で売れる未来……。その未来で、山田と市川は2人でいるのだろうか。「将来……ね……。」が完全に市川とシンクロした。そして「売らん」の男らしさよ。こういう、山田が聞いたら赤面必死のモノローグを、ちゃんと口に出してほしい。単純に山田の反応が見たいだけ。

 

・市川的には、山田が有名になった未来で、山田と親しい状態にあるイメージはないんじゃないだろうか。完全に推測だけど、山田と結ばれることをまったくの絵空事とは考えてなくて、一方で山田の将来を思って『そうあるべきではない』と考えているような、そんな気がする。

 

・高く売れるって言ったり転売出来ないようにしたり、支離滅裂っぽいけどそんなことはない。貰って欲しいから価値をアピールして、手放して欲しくないから対策してるだけだ。

 

・名前を書くだけでここまで意識するの、山田さんあなた市川のこと好きすぎじゃありません? 文字がガッタガタだ。京太郎『へ』だからか? 分からんけど、『京太郎』と『京太郎へ』だと、後者の方が『送る言葉』な分ハードル高いとか……?わからん。恋する中学生女子のことはなんも分からん。

 

・さんざ下の名前で呼ばせようとした報いと見た。自分から下の名前も選択肢にあげてるんだから、抗えないわな。しかし赤面してる山田は可愛いな。市川にマウント取ってニヨニヨしてるのも、反撃食らって顔赤くしてるのもいい。

 

・紙切れ一枚が宝物に加わった1日でした。互いに。

 

・何よりかにより、最後に2人とも息を吐いてるのがモノっっっっすごい良い。それそのものも良いし、互いに相手にはあんまり見られたくないリアクション(好意の発露故)だろうに、思わず出ちゃってるのもいい。まだ山田はよそ向いて顔を手で押さえてるあたり自制心はある……のか?

 

・今日の一枚かなり満足度高いな。個人的には、2人の将来について、この漫画で無視される対象にはなってなさそうというのが1番のポイント。クラスのカーストはもはや関係なくなっている2人の間の次なる格差、『一般男性とモデル』というところが、『漫画だから〜』でうやむやになるんじゃないかと(それ自体は悪いことじゃなくて、物語的面白さは時に整合性より優先される)思っていたので、今回わざわざ市川が『将来』というワードに反応を示したのは、今後の展開に期待が持てる。

 

・ここまで! まだ日記も書いてないからほどほどに。