せんくつにっき

思うこと、感想、とかとか

僕の心のヤバイやつ感想『チロルチョコ将棋とは?』

・好きな過去回の感想。今回は本当に感想メイン。

 

 

・ん~!大好き!100万点!確か当時、残業中に何気なく開いたtwitterで、この投稿を確認した。何回も見返して、ニヤニヤを抑えるのに必死だった思い出がある。相当好きな回。

 

・この時の心情を思い出すため、本編の直前の更新を確認した。雨回だった。それも更新は二日前。その前は小林回、弁護回。twitter漫画の方は恵方巻、カイロ。なるほど、雨回を契機にラブコメ濃度が全体的に急上昇してきた時期だ。

 

・えっ?!好きなの?!やっぱりもう山田は市川のことが?!みたいなことを考えてアワアワしていた思い出。だってこんな短期間で叩き込まれたのだ。しゃーなくない?バレンタイン回はバレンタインの出来事だっつうのに。

 

・当時の本編からすれば、時系列的にはかなり先の話だけど、それが分かるのは最後のコマだ。だから、市川が自然に山田にツッコミを入れているのを見て、ちょっと不審に思ったりしながら読み進めると、ああああああああああ!てなる。何が「勝った方が駒を総取り」だ。勝つ気なかっただろ!

 

・こっちの感情はちょっと置いといて、山田のこの計画性よ。こういうことをするから、考察をする時に勘ぐりをしてしまう。山田の知能指数をどこに置いていいのかをたまに見失う。

 

・小芝居がいいね。読み返すと、一連の行動がすべていじらしくて最高って気分になる。「その手があったか…!」とか「参りました」とか、その直前の「(頃合いかな…)」みたいな顔してるちっちゃいコマとか。ちょっと顔を赤らめてる。いやこの顔がほんとにいい。からの最後の表情よ。ああああああああ!

 

・バレンタインですよバレンタイン。異性にチョコを贈るという行動の意味は、知識としては誰でも持っている。山田だって市川だって。言わずもがなだが、今回の話の発狂ポイントはそこに凝縮される。初めて読者にぶち込まれたのだ。

 

・この計画にあたっての、山田の思考を妄想してみよう。悪癖が始まった。

 

・渡すかどうかを迷ったかは置いておこう。結果的に渡しているんだし、考えたいのは今回の手法を選択した意図だ。

 

・渡すのは確定。さて、どう渡す?選択肢はそんなにない。まず考えるのは、普通に渡す案だ。普通に、といっても、そのトーンにもよる。告白として渡すか、友達として渡すか。あるいはクラスにばら撒いてカモフラージュするか。

 

・気持ちとしては既に好きなんだから、自分に正直にすれば告白として、だろう。だけどそれを選んでいない。意気地がなかったのか、まだ微妙な距離感を楽しみたかったのか。どっちでも最高だし、たぶん両方入ってるんだろうし。個人の所感としては、山田自身は2:8だと思ってるけど実際は4:6みたいなのがいい。恋に臆病な子は好物だ。

 

・じゃあ友チョコにする?市川は喜ぶだろうが、山田はそれを選ぶだろうか。山田の視点に立って、市川の思考を考えてみた。仮定の仮定の仮定みたいなことしてるな。

 

・『友達として』チョコを渡す。これは友チョコですよ、と宣言して渡す。あなたは友達ですよと伝える。あくまで、友達ですよと。そういう関係ではないですよ、と。勘ぐりすぎ、ネガティブがすぎる考え方だが、好きな相手にそういう捉え方をされると考えたら、本命に友チョコとして渡すのはある種のリスクがあるのかもしてなくて、山田もそう考えたのかも。

 

・妄想が暴走しているので、ちょっと立ち返ろう。山田は、『バレンタインデーに異性にチョコを渡す行為と意味』を『チロルチョコ将棋という謎の遊び』で『誤魔化して』いる。友チョコだと、ある意味『嘘』をついていることになるが、『誤魔化し』だとまた違う。そこに気づきの余地があるからだ。

 

・もしも勘付かれたとき、友チョコならそれ以上は市川は言えない。だってそう言ってるんだから。ああ本当にそうなのかとも思うだろう。だけど、チロルチョコ将棋なら?問われたとき、これで誤魔化そうったって、なかなかそうはいかない。「いやチロルチョコ将棋だから。負けたから」って言ったって、山田の中にすらない勝敗条件を説明できないだろうし、市川だって誤魔化されないだろう。

 

・もしかしたら、この手法をとったのはそれもあるかもしれない。市川ならバレンタインにすら気づかないだろうけど、もし気づかれたら否応なく好意にも気づかざるを得ない、そういうある種のトラップ。

 

・市川なら気づかないだろうけど。繰り返しになるが、最後のページの大ゴマ、山田の表情がいい。まさにチョコを渡している瞬間、ある種の告白の瞬間だから、ドキドキはしていると思う。だけども、気づかないだろうな、という諦めに似た感情が窺える。

 

・諦めだけど、信頼でもあるし、裏切ってほしくもあるかもしれない。だから迂遠なやり方になったのだろう。自分の気持ちに嘘はつきたくなくて、けどまだ気付いてほしくはなくて、けどちょっとは気づかれたくて。

 

・いい年こいた大人が女子中学生の内心を予想するのは無理があるし、字にするとヤバさが際立つけど、楽しいなぁ。次はどの回の感想を書こうか。