せんくつにっき

思うこと、感想、とかとか

210316日記 三色団子

・日記を書く際に一ミリも参考にしていない、そもそもしてる奴がいるのかもわからない、通称「はてなブログのおせっかい」こと編集画面のうえの方にある【今週のお題】。よくは知らないがおおむね季節ネタを書いているようで、今日は「ご卒業おめでとうございます」と書いてある。……そうか、学生諸子はもう卒業のころ合いか。なんというか、私としては3月も中旬とはいえ「冬が終わりかけ」くらいの意識だったのだけど、うん、卒業式は春でしたね。つまるところ私の知らぬ間に世間は桜の季節に切り替わっていたということで、なんだってこんなところで春の訪れを感じなきゃいけないんだ。

 

・お花見。春になり、桜が咲けば、恒例行事としてさも当然のように飛び交うこの言葉だけど、学生時代も就職してからも一度もやったことがない。別にアレに対して無駄だなんだなんて気持ちはなく、まあいつものようにカケラも興味がないというだけなのだけど。とはいえ一度も経験がないかといえばそんなこともなく、あれはたぶん小学校に入るよりも前だったのだけど、町にある広めの公園で家族親戚とやったような記憶がある。花見に関する最古で最新の記憶だ。

 

・記憶がある、とは書いたものの、べつにエピソードがあるわけでもない。そもそも幼少期の記憶は薄く、今思い返している風景もおぼろげなものだ。親はいた、たしか祖父や祖母もいた。当時の親の友人家族もいたような気もするが、ここは覚えていない。「お花見」と聞いて頭に浮かぶような、桜並木に大勢がシートを並べておせちのようなものを食べ酒を飲む……みたいな風景ではなく、その公園にいたのは私たち一行だけだったと思う。そして、これだけは強く印象に残ってるのだけど、三色団子が美味しかった。

 

・嗜好として、和菓子が好きな人間だ。生クリームが嫌いなので洋菓子の多くが食えないという事情はあるが、そこを差し引いても和菓子が好きだ。どこまで信用できる記憶かは疑問だが、そのお花見の時点ですでに好きだったように思う。大人が団子をくれたのはそれが理由だったのかもしれないし、記憶違いかもしれないが、とにかく、その三色団子のおいしさに、私は強い衝撃を覚えたと、そう記憶していて、そして今日まで、少なくとも甘味において、その衝撃を超えたものはない。

 

・おそらく、有名店のものとかではなかった。年がたってから親に聞いても、その団子のことなど記憶になく、おそらくは買い出しのスーパーにて「花見っぽいから」という理由でカゴに放り込んだだけの、なんの変哲のない三色団子だろう。パックもたしかプラスチックだったし。一時期は気になって探していたけど、早々に諦めた。近い味のものは見つかるけど、あの衝撃の理由はたぶん味だけではなくて、だからあのときの再現は叶わないと気づいたから。