せんくつにっき

思うこと、感想、とかとか

僕の心のヤバイやつ感想『僕は受け止めた』

・もうね、もう……最高。ニッコニコしてる、今。マスクしてて良かったよホント。邪魔ったらしいこれに感謝する日が来るとは思わなかった。

mangacross.jp・最終的にはニコニコしてるんだけど、脳みその中はいろいろな思考が激流のように渦を巻いていて、ちょっと整理に時間がかかる。無理矢理言葉を形作るなら、まずはホントに優しい世界だなと。そして今回の山田の涙は、優しい世界だからこそ流れる涙だなと。

 

・山田のモデル業、いろいろと習い事を辞めてきたうえでのことなんだな。鼻を折ったときの涙が一気に重くなった。もともと女性の顔のことだし重たいのは重たいのだけど、もし鼻が歪んだままだとモデルまで辞めることになる、しかも雑誌に載ったりテレビに出れるくらいには上手く行っていた(確実に今までの習い事よりも)のに!! なまじ軌道に乗っていたものがダメになったら場合のダメージは相当なものだ。

 

・頭っから行きましょう。個人の感想です。

 

・ノーパン危機脱出! そらね、あのままだったらどんな感動的なシーンも「今こいつノーパンなんだよな……」ってなっちゃうからね。面白いことは面白いんだけどね。そんで市川こいつまさか致してないよな? それは流石にないよな?

 

・ジェラピケ(っぽい)山田。あの、下履いてないのはそれ正しいの? よしんば正しいとしても、付き合ってない異性の同級生の前でしていい露出ではなくない? まあその辺が全部吹き飛ぶくらい「こっちの方が可愛いかなって」の返しが可愛いのでOKです。とっときのパジャマを初めて見せる相手は好きな人なんすよ、可愛げしかない。そして実際モコモコで熊耳はカワイイ。これ見て「お前(市川)を今から捕食する」なんてメッセージが見える人は反省してくださいね。結果的にセンシティブな絵面になっちゃうだけで、基本は恋する乙女の可愛い論理で動く山田。卑しさは一切ありません……それは言い過ぎか。隣に座った時の顔なんて卑しさしかないもの。顔が見やすいように髪上げやがって。けどこれはあれですよ、自ずから椅子が2つある方に座った市川が悪い。それに山田は市川に鍋をよそってあげなきゃいけないわけで、対面に座るより隣に座った方が都合がいいのは確定的に明らか。なんてこったまたも前言撤回、卑しさなんてないじゃないか。ここにいるのは気遣いが出来るカワイイカワイイ女の子だ。はい復唱。

 

・冗談はさておき、なにを今更並んで座ることに恥ずかしさを感じてるんだろうこの2人は。2人っきりの部屋だから? シチュエーションがもはや『家族』だから?

 

・山田家に着いて以来、困惑し通しの市川。「こいつ僕のこと好きすぎるだろ……」って考えがあれば山田の行動には納得しかできないんだけど(夕飯の前に鍋の件は置いといて。昼休みに下校途中に夕飯前に……昼飯と晩飯の間に何回食うんだよ。なんで太んないんだこの女。原さんに殴られるぞ)、よしんば考えたとしてもその思考を市川が押さえつけないはずがないので。

 

・1人鍋はわびしい。はい。覚えてろよ市川。

 

・たまに一緒に食べる?って……その……考えてもの喋ってんのかな山田。どういう関係だよその付き合ってはない中学生男女。付き合ってないだけじゃないか。流石に売り言葉に買い言葉な気はするけども、しかし表情はわりとマジ。定期的にお家に来てほしい想いが先行しすぎてますね。

 

・返答に困って露骨に話題を逸らす市川。前回の「マズいのでは?」「なにが?」のやり取りといい、意識させられたときの防御力が本当に低い。そのわりに「気になっちゃう?」には塩対応できるんだよな。おねえがしてきそうなやつだし、慣れてるんだろうか。偏った防御力。にしても「気になっちゃう?」の山田がめちゃくちゃいいな。レア表情。ちっちゃいコマでの表情なら今話ベストまである。

 

・こんな早く卒アルを……って、この『早い』は時間的な話なのか関係的な話なのか。後者だとしたら、じゃあもっと先に見る未来なら想像してたと。あれかな? 山田家に行くのはそれこそ付き合ってからだと思ってたのか?

 

・小学生山田。市川の言うとおり、ザ・山田だ。山田としての完成度が高すぎる。たしかこの時(小六)から背は高かったんだっけ? 写真を見た限りはそうっぽい。修学旅行のなにやらもがついてる(日光だし焼きまんじゅうか?)写真の身長差よ。運動会でも一緒に写ってるこの子と仲が良かったんだろうか。パターンだとこの子は私立に行った感じだが、さて。

 

・習い事の残滓。ピアノにバレエに英語に水泳に剣道に……多い! いっぺんにじゃなくて順繰りになんだろうけど。しかしやらせて「もらった」って言い方、どっちにも取れるな。山田がやりたいと言ったから「やらせてもらった」、なのか、そういうの関係なく親がお金を出してるから「やらせてもらった」なのか。前者だとは思うけど、謙虚が染みついてる人はわりと後者の言い方をする。

 

・山田の過去バナ。思いのほか失敗と挫折を味わってきているという事実に面食らったのが正直なところ。今の自己肯定感からは考えにくいとも思ったが、ううむ、このあたりは難しい。もちろん単に山田が根明なんだという見方もあるが、あれだけの数の挫折を幼くして味わってきてなおも今の山田というのは……親のフォローが素晴らしかったというほかないだろうか。

 

・違うな、そもそも山田の自己肯定感が高いというのがそもそもズレてるのか。なにやっても人よりうまくできないと自分で言ってるしな。不器用を始めとする欠点(?)には人並みにコンプレックスを抱いてるのだ。容姿に関してはそれなりの自信を抱いてそう(可愛いって言われる?→よくいわれもす!)だが、それはそれこそモデルとしての成功体験ゆえで、逆に言えば根拠はそれだけとも言える。もし何かしらの出来事、それこそ鼻が歪んだままだったりでモデルも辞めざるを得なくなっていたら、そのときはどうなっていたか、考えるのも気が沈む。

 

・もうちょっと書けるけど先に進まないのであとにしよう。山田も私立を落ちていたそうで、市川の志望と同じとこだろうか。まあそこはどうでもいいか。なにかを辞めたり失敗するたびにご馳走を用意してくれるのは、後ろで市川が語ったとおりなんだろう。もしかしたら似たようなことを家族にしてもらった経験が市川にもあるのかもしれない。そう考えると「……いい親だ」の深みが増す。

 

・山田には珍しい長尺の独白。自らの不器用や不出来によって周囲に迷惑をかけていること、そしていつか嫌われてしまうかもしれないことに思い当たったのは、まあ市川のせいなんでしょう。介助からなのか、もっと前なのか。

 

・みんなは、市川は優しいから、どんなに失敗しても「今は」許容してくれている。もし山田のせいで不快になっていたとしても、それを山田に気づかせないよう、表には出さない。優しいから。だけど、不快にさせたことに気づけないということは、挽回の機会もないままということで、自分のなにが分からないままに嫌われてしまう未来にも繋がる。それはとても怖いことだ。いつまでも許容され続けると思える人でなければ。山田はそうではないし、そして、山田はその怖さを冬休み前に一度味わっている。

 

・嫌なことは嫌と言う。誤魔化しのようだし、実際そうなっているけど、市川の本心で間違いはないと思う。ただそれは市川の、市川に対する自己評価としてそう思っているというだけで、それが正しいというわけではない。嫌と言って相手が傷つくのであれば、それが本心でも市川はそうと言わないのだろうと、それぐらい市川は優しいのだと山田は思っている。

 

・要するに、あんな態度取っておいて「用事があっただけ」は流石に通じなかったと。そのことについてずっとモヤモヤしていて、その理由を考える間にもいろいろあって、いっときは楽しいこともあってそのモヤモヤは心の奥に追いやられていたけど、介助がうまくいかないのと骨折の理由のくだりで再燃し、山田は今の考えに至ったと、そういうことだろうか。となるとハグをしなかった理由もなんとなく見えてきて、結局は市川に嫌われたくないからだ。距離が近いのは嫌じゃないとあのとき市川は言ったけど、だけど市川は優しい嘘をつく人だから、本当に嫌じゃないかわからなくなった。そんな感じでどうでしょう。

 

・号泣山田。一日に何回泣くんだと思うけど、それくらい不安であり不安定な状態だ。だから市川ようやった!! ここでこの行動、男前が過ぎるぞ。自分のせいで泣いてる女の子を前に、自分でも困惑するくらい居ても立ってもいられなかったと。肩越しの山田の表情が心にくる。

 

・抱きしめられ、顔をうずめてうぐうぐ泣く山田。心にクる。山田はわりとしょっちゅう泣いてるイメージがあるけど、しかし大体の場合はせいぜい「涙を流す」にとどまっていて、今のように声を漏らして泣いているのが描かれるのは珍しいように思う。一巻の鼻を折ったとき以来じゃないか。あとありそうなのは、それこそ市川に冷たくされたときに図書室で1人泣いていた(であろう)ときとか。

 

・「嘘ついてごめん」。あのときの市川の嘘が間違いだったかというと、私はそこまでは思わない。間違いはそもそも自分の気持ちを勘違いして山田に辛く当たったことが間違いで、それに気づいたあの場で出来るのはとにかく「嫌いになってない」と伝えることだ。下手に正直に語るといろいろややこしかっただろう。2人にはいくらでも時間があるはずで、今回はいろいろと重なった結果として山田の精神が追い詰められているけど、それがなければいつかモヤモヤも消えていたかもしれないし、残ったままでもここまでの涙は出ずに解決していた未来だってあり得たはずだ。

 

・自分が弱すぎた云々。口下手というか、今度こそ正直だし言ってることはなにも間違ってないけど、観念的過ぎて分かりづらくなってる気がする。そのぶん本心ってことが伝わるからいい……のかな。わからん。

 

・僕らは似ている。これサブタイにしなかったの、なんかしら『ある』か? 『僕は受け止めた』ももちろんしっくりくるけど、何話か前に『僕らは少し似ている』をつけていたのだ、この作品ならそこに絡めて『僕らは似ている』としそうなものなのだけど。

 

・「(鼻水つくけど)山田のジャージだからいいか」……え、いいってなるか? まだそれ着るんですよ……? 断りづらいならわかるけど、別にいいかとまでなる……?

 

・市川による告白(推定)キャンセル!! すごい、なんかラブコメみたいなことしてる。きょとんとした山田のこの顔よ。クソ鈍感主人公にスカされたヒロインの顔そのものだ。にしてもさっきまで大泣きしといてこの感じ、切り替えが早い。

 

・P12右上の「うんっ」のコマ、なんだかよく分からないがすごく「僕ヤバ」って感じがする。ほんとよく分からないけど。数話続いた意気消沈山田が完全復活したからだろうか。そして山田母襲来。……自分の家なのに襲来扱いされる謂われもないか。さあどうする、市川を隠すか、挨拶するか。後者かな。とりあえずここまで。……まとまってねぇなぁ……。