せんくつにっき

思うこと、感想、とかとか

191231日記 傷つくだろう

・あと数時間で年が明けるんですってよ。すごいな。

 

・大晦日ということで、紅白やら笑ってはいけないやらRIZINやらと、まあいつものメンツがテレビを埋めている。こいつら『毎年恒例』組が刷新されるのはいつなんだろうか。なんとなく、紅白は100回で終わらないとそれこそNHKが潰れない限り永遠に続きそうな感じがする。今年で70回だったか? もはや大半の人間にとっては『産まれる前からやってる』枠に入る。

 

・なんか怖いな。誰一人として紅白より長生きな人がいなくなったとしても、変わらず『毎年のことだから』とやり続けるのだろう。なんなら、続けば続くほど「今年で終わり!」と言い出せる人が少なくなっていく。

 

・そういえば、年寄りが好きだからという理由で毎年どこぞの演歌歌手が参加している現状だが、演歌ファンに新規参入ってあるのか? ものすごく失礼な話をしている自覚はあるけども、少なくとも身の回りに「演歌にハマった!」なんて言うワカモノはいない。上司だのとカラオケ行くと、1番若い層で演歌を聴いて/歌っているのが40後半あたりからで、それ以前はミスチルだのスピッツだのだ。

 

・なにが言いたいかって、こうなってくると『そして誰も演歌を聴かなくなった』…は言い過ぎにしろ、『ほとんど誰も聴かなくなった』日が来るのは近いんじゃないかなと、そう思えてきた。

 

・なんだかんだ、現場では『若手演歌歌手』なんかも出てきてて、高齢化社会としてそれなりのパイはあるのだろう。今は。出てこなくなった日がターニングポイントだ。

 

・遅きに失したが、今年のMー1で話題になってた何組かの漫才を見た。正直見る気はなかったのだけど、今年のMー1を見て『誰も傷つけない笑い』なるものの台頭を予見する声が多く、そんな革新的な回なら拝見しようと思ってだ。変な先入観を持って見るのはちょっと情けないが。耳にする限り、『ミルクボーイ』と『ぺこぱ』が特に そう だというので、その2組。

 

・ミルクボーイの方は、そういうフォーマット漫才というのはなんとなく知ってて、なるほど面白かった。ぺこぱの方は完全に初見で、最初は「(駄々すべりしてないか?これが話題に?)」と思ったけど、見終わったころにはまあなるほどって気にはなった。

 

・どちらも面白かった。面白かったが、さて、これが『誰も傷つけない笑い』と呼べるかって、個人的には疑問符が付くな。

 

・非常に勝手な推測だけど、『誰も傷つけない〇〇』という理想論がM–1前からあって、それを使いたい人が『それっぽい』2組を見ることで、これ幸いとレッテルを貼り付けたような、そんな気がしてる。

 

・あれで『誰も傷つけない』なら、今までも『誰も傷つけない』ネタをやってる芸人も、それでちゃんとヒットしてる芸人もいた。M–1の結果(優勝、3位)を見て、「世間が求めた結果だ」という論理も、そもそもM–1は完全に審査員(≠世間)の点数で結果が決まるので、破綻してると思う。

 

・そもそも、ちょっと想像力を働かせれば、あの漫才でも傷つく人だっているんじゃないかと予想はつく。最中を何個でも連続で食べれるくらい好きな人は、全国ネットで嗜好を少数派だと言われたわけだし、現役でホストをやってる人は客から「あの頭振る挨拶やってよw」と振られ、プライドを傷つけられながらも我慢している……という光景があってもおかしくない。

 

・理想とその実現を見るのは気持ちいいだろうが、人間の多様性だって見つめなければならないことだし、個人的には金属バットのように、人を傷つけるし笑いもとるような漫才も好きだ。『誰も傷つけない笑い』の台頭も結構だが、そのために『そうではない笑い』が封じ込められるのは、そういう嗜好の自分が否定されている気がして、傷つく。