せんくつにっき

思うこと、感想、とかとか

僕の心のヤバイやつ感想 2巻書き下ろし分

・僕ヤバ2巻の書き下ろしについて感想。画像は貼らないけど、ネタバレ注意。

 

 

・書き下ろし分感想とは言ったけど、とりあえず2巻収録分を読み返して。ざっくり言っちゃうと『良かった』でしかないんだけども。

 

・読み返して分かったんだけども、1巻が『市川による山田観察』だったのに対し、2巻は『山田による市川観察』だったということ。その観察手法は、市川は影でコソコソ見てるだけなのに対し、山田は積極的に絡んでその反応を見るというやり方で、いかにも両方『らしい』感じ。どちらも自然な動きをして、その結果両片思いになるとか、運命かなんかかって感じだな。作劇の上手さを称えるべきか。

 

・市川観察の過程で、だんだんと好きになっていったんだろうな、というのがまあ一般的な見解なんだろうと思うし、自分はそう思う。たぶん、市川が自分に対して何かしらの特別な感情を抱いていることも、観察の過程で何となく気づいたんじゃないだろうか。気づいてないと説明できない行動も多々ある。

 

・『チョコとミント』について。割と前にネームがチラ見せされていたやつ。待ち伏せ!標的が現れるであろう場所で。獲物を狩るモードだ。アイスでマーキングするんじゃあないよ山田。

 

・チョコミントの好き嫌いがはっきり別れるというのは確かによく言われる。自分は好きじゃないけど、そもそもラクトアイスを食べない人間なので、チョコミントに限った話ではない。アイスじゃなければ、まあ普通。どうでもいいか。

 

・それにしても、季節は秋〜冬のこと、それも屋外だろうに、アイスが溶けるほど待ってたのかよ。かーっ!。そりゃまあコンビニに買いに行って帰ってくる間にも時間は経過するので、それも多少はあるだろうけど。しかし傍目からしたらほんと何してんだかだな。わざわざ学外まで行って、帰ってきて待ち伏せ

 

・好きか嫌いか尋ねるやつ、これは罠か?「好き」→「しょうがないなぁ一口あげる!」、「嫌い」→「うそ!これおいしいやつだから一口食べてみて!」みたいな。まあそうだったとしてもスカだったんだけど。それぐらいの策がないと、わざわざコンビニまで行って帰ってこないんじゃないの?いや、そこまで理詰めで動かないか?わからん……山田のことも、恋をしている人間のことも。

 

・どれくらいの時間待ってたとしても、結果的に市川と話せたのは自転車置き場〜校門までの時間だけ。短っ。一緒に帰るわけではないので、それくらいのことは山田も分かってたはず。健気だなぁ……。

 

・とか思ってたら、爆弾を投げやがった。公衆の面前で「大好き‼︎」。発言後に「言っちゃった……!」みたいになってない(饅頭みたいな顔しやがって)のは、天然ゆえか策略ゆえか。モブの顔がイイね。これで噂になってない方がおかしくない?全員中学生だから疎いのだろか。

 

・策略だったとして、つまり「大好き‼︎」と言うことでカワイイ市川のカワイイ反応を引き出してやろうとした場合、どういう思考回路になるか。「私はどっちでshow‼︎」これ、詐欺師みたいなことしてるように見えるんだけど。チョコミントを食べてる以上、『好き』以外ない上に、前の会話で回答を『大好きor大嫌い』に限定してるから、誰だって『大好き』と回答せざるを得ない。あの市川に『大好き』って言わせるんですよ?これぐらいしないと。瞬発力クイズだのなんだのは思いつきで、目的は上記の通り。市川の反応を引き出すため。そっちの方がいいと判断したからとか。

 

・どうしても策略説を押してしまうな。策略というか、裏があるというか。自転車置き場で待った成果が、ほんの短い時間の会話だけでは、決して満足しない女、山田。自分の中での山田、欲深く、IQを高めに設定してしまっている。

 

・『染みこむ気持ち』について。また待ってるよこの狩人……。市川も「なんでいるの?」とはならないあたり、今までも何回も待ってたんだろうか。心なしか、『チョコとミント』より会話が淡々としてる。出汁を飲んでるのは間を持たせるためか?

 

・「いつも予想外の返しをするなぁ」。あー実感がこもってる。これまでの2人の時間が詰まってる。「いつも」ですよ「いつも」。

 

・「じゃあ」っつって出汁あげてるの、ヤバくないですか。これ。フェチが。最初のページ、ちくわをストローがわりにして出汁を吸ってるのと、市川が現れて『ゴポ』ってちょっと吹いちゃうのが描写されてるんですけど。一旦口に入ったのもまた容器に戻っちゃってんだよねこれ多分。その出汁を飲ませるって、間接キスどころか関節ディープキスみたいなもんじゃないの。というか、箸も渡してるし。うわ俺気持ち悪いな。

 

・(たぶん)いつも通り校門で解散……だと思ったか‼︎後ろから追っかけて市川を捕まえる山田。本当に狩人みてぇ。勇気を振り絞ったんだなぁ、ってなる表情。市川にはもうちょっと汲んで欲しい。良くない読者の言動。何様だお前は。

 

・こっからは妄想だけど、たぶん前述の通り自転車置き場→校門の、短時間の同行は今までも何度かあったんじゃないだろか。回数を重ねるごとに互いに慣れちゃって、今回みたいな淡々とした会話(個人の所感です)になってた。

 

・それに気づいたのが今回なのか、ちょっと前から薄々なのかはあれだけど、なんとか解決しようとした→「途中まで一緒に帰ろ」。なんじゃないかな。いや、もともと2人で下校したかった気持ちは絶対にあったと思うんだけど。流石に言い出すのは恥ずかしかったのか。現状の打破のためにそれを打ち破ったと考えると、とてもとても素晴らしい。

 

・2人が別れるコマ、市川が若干早足のように見える。これはちょっと不満未満のなにかが募るムーブじゃないか?だけども、次のコマでは特に山田は動いていない。その次のコマで山田が走ってるのが見えるので、すぐ動き出したように最初は感じたけど、実際は、校門から見えなくなるくらい市川は歩いている→それほど時間が経っている。どういうことかって、山田の逡巡、葛藤はそれぐらいの時間されていたということだ。2巻収録分最初の話『僕は心の病』では普通に出来ていたこと(一緒に下校するお誘い、まして二人乗り!)が、自分の気持ちを知ってしまったがゆえに、勇気を出さなければ出来なくなっている。この変化、たまらん。山田もそんな自分を自覚しているだろう。

 

・妄想入ります。今日ちょっと会話少なかったな→最近そんな感じだな→一緒に帰れたらもっと話せるんだけどな→けど市川もうあんなとこまで行ってる……→……また明日もあるし……→…………。→いや、ダメだ‼︎→ダッシュ。みたいなね。ね‼︎こうなると、告白は我慢できなくなった山田がするビジョンも見えてくる。

 

・これからも何度か一緒に下校するんだろうか。そうだったらいいな。

 

・『未解決事件』について。こういうことをするから、山田は市川の気持ちに気づいてる説が補強されていく。いや実際多少は気づいてるだろ。

 

・問い詰めるコマ、すごい嬉しそうというか、分かってて聞いてる感がすごい。また妄想なんだけど、山田も例の紅茶花伝の容器を保存しているから、市川の「捨ててない」の意味を見出せるんじゃないだろうか。好きな人からもらったから、ゴミだけどゴミじゃない。それはそれとしてジップロックはキモいぞ。

 

・以上。小ネタは他にも神崎くんの嫉妬とか、原さんの毒舌とか色々あったけど、ここまで。