せんくつにっき

思うこと、感想、とかとか

僕の心のヤバイやつ感想『女の子らしくない』

・今すぐ行ってほしいね。遊園地に。学校サボってもいいぞ。

 

 

・世間一般の『女の子らしさ』が自分にない(と思ってる)ことに、コンプレックスを持っている様子の山田。今までにない描写じゃないか?今回山田が言っているのは物事に対する捉え方とか、感性に関する部分。雷とか絶叫マシンを怖がったり、虫を避けたりするのが山田の思う『女の子らしさ』で、『守ってあげたくなる感』にも繋がる要素だ。

 

・山田はいろいろ雑だったり、アホの子になったりするので、市川としてはいろんな意味で目の離せない存在だ。山田の思う『女の子らしさ』がなくとも、市川はちゃんと山田のことを見てるし、フォローしている。その行動は市川の人格、善性によるものもあるが、他ならぬ山田が引き出しているものだ。

 

・雷にビビる市川。中2でそれか……と 思わないでもないが、これもまた市川らしいといえばらしい。怖い人は怖いし。山田がいるのは待ち伏せか偶然か。まーたニヨニヨしてるよこの娘。最近市川の可愛い一面ばっか目撃してない?

 

・雷にビビる原さんと、しがみつかれる神崎くん。Twitter漫画に出てきたのは初めてか?それっぽい青春の一ページって感じだけど、いつの間に堂々と2人で帰る仲になったんですかね?

 

・そんな2人を見てる山田、どこか羨ましそうなのは気のせいではないはず。この表情もまたレア。後に続く独白を考えると、2人の距離感だけでなく、原さんの女の子らしい反応も羨望の対象なのだろう。もしあの2人と同じように、近い距離で並んで下校するようになっても、山田は雷を怖がらないので目の前のロマンスは訪れない。この事実と、コンプレックスを不意に刺激されたことと合わさって、自然にため息が溢れたのだろうか。いつだったか、「原さん可愛いと思うけど」と山田が言ってたけども、これはその『女の子らしさ』を指してか。

 

・ため息に対してすかさず「どした」と言えるあたり、2人の仲は日進月歩だなって感じ。というか、よく考えたらこの回は市川から話しかけてるな。もちろん山田のニヨニヨした反応ありきだけども。

 

・自分のことを語る山田、これもレア度高い。一巻の最終話で、小林達に『中学生だからしょうがない、と思われるのが一番悔しい』と言っていた、あれ以来じゃないか。話が逸れるけども、あの考えは本当に立派というか、中学生らしさを飛び越えたところにあるなと思った。

 

・市川にもそういう(自分の内面とか、コンプレックス)ことを自然に話すようになったのは、心の距離が縮まった感じがしてすごくいい。別に恋をしたからといって相手に対する心の壁が取り払われたりするものではなくて(市川を見てたらわかる)、むしろ好きだからこそ自分の良くない部分は隠したいと感じ、結果的に距離をとってしまったりはよくあると思うけど、今はそこがお互いに少しずつ取り払われている感じがする。

 

・遊園地でギャーギャー言ってるのはこれ小林さんだな?うん、らしい。恋愛面にはあんまり興味なさげだけど、こういうところはしっかり『女の子らしい』小林さんと一緒にいて、コンプレックスのようなものが深まっていったりしたのだろうか。ビッチさんも料理上手だったりするし。ヤンキーさんはあんまりそういうところないな。『クローズ、WORST』好きとは、なかなか筋金入りだ。それを編集者さんに伝えてるときはわりと女の子っぽかったが。

 

 ・「……なんていうかあんまり女の子らしくないんだよね」。少し長めの沈黙と共に伝えられた、山田のコンプレックス。『ストレスを溜めないライフスタイル』を標榜している彼女のことなので、市川が隣にいなかったらたぶん頭をよぎってもすぐにそれを忘れてたんじゃないだろうか。無意識に。忘れたらストレスも無かったことに……とは言わないが、考えたって結論の出ないことにいつまでも頭を悩ませるよりは何倍もマシだと思う。

 

・たぶん、それを感じた時隣にいるのが市川以外だったら、口に出すことはなかったんじゃないか。今までも。だって、どうしようもないのだ。『女の子らしさがない』ことが山田の中でどこまでの大きさを持つか知らないが、マネージャーや親、友達に言ったところで、「ほかに良いところがある」という回答しか期待できないと思う。むしろ嫌味と取られることもあるだろう。いや知らないけどね。ただ、今の山田の容姿を評価している人間からは、そういう言葉が出るのは容易に想像できるし、山田としてもそう思ってるんじゃないだろうか。ただ、それとこれとは別問題で、慰めにもなんにもならない。クラスメイトだけでなく、仕事していく上での同年代の子もみんなその『女の子らしさ』で溢れてて、そういう子の方が可愛がられるのを見たりすると、自分の長所はそれとして、『女の子らしさ』のない自分をコンプレックスに思うのは不思議じゃない。

 

・上記の通り、『言ってもしょうがないからあまり口に出したことは無かった』と仮定すると、それを市川に伝えたことの意味を考えたくなる。考えた結果、あまり意味はなかったと結論しそうになるけども。

 

・よく感想とかで言われているのが、『自分(山田)を変な目で見ずに、だけども優しい市川は、初めて見るタイプの異性だった』ので、最初は気になったという説。その論調に賛同すると、何か意味が見えてくる気がする。

 

・自分の容姿を評価してくれる人には、『女の子らしさがない』という悩みを言ってもしょうがない。まして同性に言ったら嫌味と取られかねない……と山田が思ってるとしたら。『容姿を評価』する人間の中には、当然『自分を変な目で見る異性』も含まれる。市川がそれに含まれないと思っていたら、悩みを吐露するとどんな回答が返ってくるかも気になるだろう。

 

・↑は無理矢理考えたもので、基本的には『市川と距離が縮まったのでそういうことも言えるようになった。とくに回答は期待していなくて、独り言を聞いてもらってる程度の考えだった』んだと思ってる。

 

・『私雷とか全然平気』のコマ、なんだこの山田の顔。デフォルメが過ぎてよく分からなくなってるが、眉が上がってるので『そんな自分に不満を持ってる』顔と見た。

 

・市川の回答。無回答と同じ『考えたってしょうがない』ではなく、何度も言われたかもしれない『ほかに良いところがある』でもなく、山田のそういう点も肯定する『楽しそうで良いな』。市川の本意は置いておいて、回答としてはクリティカルだったのだろう。

 

・(山田視点では)市川が山田と一緒の遊園地を想像して、照れる様子もなく「楽しそうでいいな」と言ったのは、これなかなかドキドキするものがある。好きな異性から『一緒に遊園地行ったら楽しそうだな』と言われるって、ちょっと経験がないので分からないけども、かなりのトキメキ案件じゃないんですか?識者の意見を聞きたい。

 

・「いつか一緒に遊『ピシャァァ』」。ラブコメみたいなことしやがって。ラブコメだけど。これ市川にちゃんと聞こえてたらと思うと、またもや妄想が止まらなくなる。いや、市川が「え、なんで?」とか言う未来も見えるので、ある意味よかったけど。

 

・『鈍感でよかった』……。ありきたりなこと言っていい?……お前じゃい‼︎

 

・このおまけコマで山田が何考えてるか、ひっじょーに気になるな。勢いで言いかけた「いつか一緒に遊園地行こう」は流石に性急すぎたと思ったか、自分が市川の言葉を勘違いしてる可能性も考えたか、なんにせよ要求を『途中まで一緒に帰ろう』にしてて、そこにいたる思考の変遷を見たい。

 

・デートのお誘いよりは、一緒に下校のお誘いの方が 難度が易い。なんか1人でドアインザフェイスみたいなことしてる。ちょっと違うか。

 

・市川の回答がクリティカルな理由については、よく考える必要があるな。とりあえず感想はここまで。