・最後のコマが好き。タイトル回収のような趣がある。
・次回にはスッキリ解決……と願いたいですね。オーディションに行くか行かないかは置いといて、市川の気持ちと山田の気持ちをぶつけ合うところまでは次回の一話でたどり着いてほしい。またなんぞ邪魔が入ったら泣いてしまう。
・大半がコメディパートなので、この冒頭の総括的部分に書くことは必然的に市川の独白部分のことになるんだけど、とりあえずこれだけ言わせてほしい。市川お前山田のこと考えると文字数多くなるな。ハンターハンターみてーなモノローグと文字の量になってるぞ。
・独白部分について、ちょっと納得に時間がかかったので整理がてら細かく書いていこう。まず前提として、市川は山田の「仕事が好きなところ」が好きだ。仕事が好きで、仕事に真剣で、撮影を怪我で潰してしまったことの罪悪感や悔しさで涙が止められない、そういう山田だから好きになったのだ。だから「仕事より修学旅行を選んだ山田」のことを知ってモヤモヤしている。それは市川の知ってる山田じゃないから。もちろん、市川だって自分が山田の仕事のことをみんな分かっているわけじゃないってことは把握していて、それが『理想を押し付けていたからなのかもしれない』のくだりだ。「山田は変わっていない、自分が勘違いしているだけ」で自分を納得させようとしている。「オーディションは実は大したことじゃなかった」という方向で。たがその納得を濁川くんが、市川自身が引き留める。山田の不自然な言動を思い返して。
・そうして、山田は自分（市川）のためにオーディションを諦めたのではないか、という可能性に気づく。「すごく嫌だ」の部分の解釈がいろいろ想像できてすごく難しいのだけど、たぶん「（自分の存在が山田の仕事に影響を与えてしまっているのが）すごく嫌」ということだろう。市川にとっては仕事に向き合う山田がなにより好きなのに、その山田は仕事よりも自分の方を向いてしまっている、としたら。
・そして繋がる「本当の本当に～僕は山田のことを」だけど、ここも輪をかけて悩ませてくれる。曲者なのが「最善だと思っているのなら」で、この「思っている」主体が市川なのか山田なのかで大きく解釈が変わるわけだけど、私は山田の方を採用した。つまり、「山田は僕のために修学旅行に来ることを選び、それが最善だと本心から思っているとしたら」で、だから「僕は山田のことを」の続きは「好きじゃなくなるかもしれない」か、あるいは「邪魔していたことになる」のふたつが思い浮かぶ。ここはもうわからん。理屈を捏ねているとはいえ仮定と飛躍を重ねた末の二択なので、当然作中に読み取れる要素はなく、必然、趣味か感性の世界だ。
・文字数多くなってんのはどっちだって話ですね。今更ながら頭っからいきましょうか。個人の感想です。
・入浴タイム！ 一枚目を山田じゃなく市川の半裸にするのはいろいろおかしいだろ。懇切丁寧にパンツ脱ぐ過程まで見せてくれやがって。そしてバカ登場。真っ先に市川見つけて元気に声かけるまでは「仲良くなったねぇ」ってしみじみできんのに、「間違って入ろうとしたら」じゃないよバカ野郎。なにがチンポバトルだ。大説教で済んだだけでありがたいと思え。
・女子風呂side。なんかこう、こっち側の感想は書こうとしてもなんか自分が気持ち悪くて書きづらいな。「山田の身体は同じ女子から見ても恥ずかしくなるくらい見事なものだそうで」とかさ、普通に気持ち悪くないですか。下衆な週刊誌の言葉遣いだけ丁寧な下衆記事みたいで。おかしいね、でっけぇな！とかはよく書いてるのにね。バヤシコの格好に下品＆危ないからやめなさいって書くのがせいぜいだ。
・ということで風呂上り。なんかドキッとしてるけど市川さん確かあなた風呂上りホカホカ山田を見るの二回目くらいでしたよね？ まあなんど見てもいいものではあるでしょうが……。
・ようやくなにか話せるかと思いきや、チンポバトル男こと足立登場。邪魔かと思えば救われたカタチで、祝福女が怖すぎるんよ。紙吹雪持ってスタンバってんじゃん。頼むからチンポバトル男と対消滅してくれ。「助かった」の市川の顔が迫真なのが面白い。
・就寝時間。バヤシコのモヤモヤが市川に移った感じで、市川も山田も楽しみ切れてない現状が大変に良くない。チンポバトル男も全身チンポも祝福女もそれぞれがそれぞれで満喫してるってのに。神崎はあれですね、発想はアレだが実行に移さないだけの良識はあり、足立は実行してしまうもののそこまで大それたことは浮かばない小市民感がある。
・市川の独白は上でたっぷり書いちゃってここで書くことあんまりないな。冒頭のは長いけど、一連の独白を「市川は仕事が好きな山田が好きで、だから修学旅行を選んだ山田にモヤモヤしている。もしその選択が自分のため（せい）なら、まずその時点でどう転んでも嫌だし、まして山田が自分の選択を本心から最善と思っているならもっと深刻に嫌」ということだと読み解きましたって書いてます。
・そんな感じで思い詰めてる市川を窘める濁川くん。なんか珍しいというか、いつもは深く考えようとしない市川に対し、深層心理では「こう」思ってるんじゃないのかって指摘していたのに、今はまるっきり逆だ。
・風に乗って聴こえる山田の声。自分の記憶でも半ば確定的とまでなりそうだったオーディションの重さが、その声によって否定できないほどに膨れ上がった。同時に、聴こえてきたということはその重さをまだ山田も捨てきれていないということで、本心から修学旅行を選んだわけではないということで……いや、もう推測は不要だろう。市川のモノローグの通り、心を知るには自分も心をぶつけるしかないのだ。
・山田の演技は、これは上手くいってるのかね。もしかしたらの話だけど、普段の山田なら市川を想って上手く演じられた告白の演技が、この時だけは空虚なもので、それを山田も窓に映る自分を見て気づいたか、あるいは、いくら上手く演じられても無駄だと思ったか。
・次回のチラ見せ……感情がぐちゃぐちゃになってて……あぁああ辛い！ このコマ見せられて二週間後までお預けなのマジ！！？ 狂いそう。気が。けどそうなんだよな、一度決めて、諦めて、普通に考えればもうオーディションには間に合わないこんなタイミングで本心を求められたところで、オーディションに行った方が良かったなんて思い知らされたところで、そんなの辛いだけなのだ。
・結局、結局ですよ。ごめんなさいね、なにもかも想像のうえに事後孔明ですけど、狂いを抑えるために書かせてね。結局のところ、修学旅行より前に二人が付き合ってさえいれば、山田はきっとオーディションのことを市川にだって話していただろうし、そうなれば本心のぶつけ合いを修学旅行の最中にすることもなかったし、だったら山田もあんな顔で泣くことなんてなかったんじゃないかって、そんなことを考えてしまうんですよ。チラ見せ、どういうことを言ってどういう感情でいるのかはもちろんわからないけども、眉をしかめて、眼もぐちゃぐちゃで、喜や楽ではないじゃないですか。
・四の五の悶えてもしょうがないので、この辺で。いやぁ次の二週間は長くなりそうだぜ……。そんな感じで。
