せんくつにっき

思うこと、感想、とかとか

僕の心のヤバイやつ感想『僕は準備万端』

・市川の人見知りの原因、クラス替え、そんでその後の進路についてと、今後についての布石が一気に貼られたようなそうでもないような。基本は繋ぎ回ですね。吉田さんが妙に可愛かったです。美容師志望、すげぇ「ぽい」。ヤンキー美容師目指しがちとかそういう偏見ではないです。

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・繋ぎ回っちゃ繋ぎ回だが……ラスト、背中がヒュッとするな。読むべき原稿の紛失、あまりにも恐ろしく、しかし容易に起こり得るミス。原稿そのものは学校が用意したものだろうし、これが現実ならいくらでもやりようはあるのだけど、これは漫画なのでどのように処理されるのかが果てしなく未知数でとても怖い。作風的には本番も失敗ってことはないと思ってるけど、これが別の漫画であれば再度の失敗も普通にあり得る。原稿は手に入るが、失敗したという動揺を抱えたまま壇上に上がりあわやリハーサルの再来か…ってとこでなんかのきっかけで奮起、結果無事成功とかがありそうなラインだが、さて。

 

・クラス替えの話が出たが、3年生編、やるんでしょうかね。一般のラブコメであれば基本は付き合ったらそこで作品もほぼ終了であるため、3年生編もやるということはつまりまだ2人は付き合わないということになる。作品のファンとしては長く続いてくれるのはありがたいが、しかし2人を推す身としてはさっさと付き合って学生生活を満喫してほしいという気持ちもあり、心がふたつあるってやつだ。

 

・2人の関係の変化を描く作品だし、付き合った状態での3年生編をやるのが「解」のようにも感じる(いつぞやのインタビューでも付き合った2人を書きたいと言っていた気がする)のだが、交際した状態で描けるドラマってなかなか難しいというか、ドロドロ寄りになってしまうし、ここまで両片想いを続けた末にようやく付き合ったのに変に揺れる2人をみたくないよいう面倒なオタク精神もある。そういうのを避けてツイヤバみたいにひたすらイチャイチャする様を描き続けるってのも、いやそれはそれでいいんだけど物語としてはどうなんだという胸中。なになら満足すんだよこいつ。

 

・クラス替えで離れてしまうかもしれないという山田に、大丈夫だと応える市川。山田は純粋に距離が離れることを(この問いかけでは)心配しているが、市川の大丈夫には「離れないから大丈夫」と「離れても大丈夫」のふたつが入っている気がする。いずれにせよ大丈夫という根拠はないが、だからこそ、そう思うしそう思いたいって感じですかね。自分に言い聞かせてる。物理的な距離によって心の距離も離れてしまうのではというのは誰しもが抱える不安で、それはきっと事実だ。だから「大丈夫」には「きっと」や「たぶん」が含まれてる、と思う。

 

・もともとはほとんど図書室だけでの仲だったのが、今や登下校や休日を共に過ごすまでに至っているのだし、教室が離れただけではどうということもない気もする。ただ、本当にそうであれば、休日一緒に遊んでいたような友人と進学と共に没交渉になるなんてことも起こりえないわけで、新しい環境で互いに新しい関係を得てしまえば、それまでの関係は薄れてしまうものなのだ。今、2人の目の前にあるのはただのクラス替えであり、それで2人の心の距離が離れるなんてことは(これが漫画だということを差し引いても)まず間違いなく無いのだけど、吉田さんの将来の夢の話もあり、学校を卒業したあとの進路も2人を待っているのだ。

 

・前置きが長すぎますね。頭のほうから行きましょう、個人の感想です。

 

・回想、小学生市川。壇上でポケットに手を突っ込むの、なかなかのふてぶてしさですね。ちいかわがよ。人目が怖くなったのは、失敗や挫折を覚え幼さゆえの万能感が消え去っただけの、思春期に良くある話だよと訳知り顔で考えることは出来るが、漫画的になんかそういうきっかけのイベントみたいなのを用意してそうな気もする。展開予想なんて、さらにメタ読みなんて「無」でしかないからこれ以上はよしときますが。

 

・加湿器、のど飴からの流れるようなボディタッチ。ホント仲いいなこの姉弟。食事終ってさっさと各自の部屋に引っ込んでなけりゃ家族仲がいい判定(当社基準)なのに、さらにここまで気遣うかね。にしてもこの薬塗ってるとこ、予告で見たときはエッチなことしてるかと思った。そういう薬があるのね。マジで知らなかった。

 

・おしゃれ美容院デヴ―! やーん一大事。そんな大ごとにするから行きにくいんだぞ中学生男子は。覚えとけ家族に中二を持つ者どもよ。市川は陰キャにしちゃファッションに気を遣う方なので、時間の問題ではあったでしょうねたぶん。センスは陰キャのそれだけど、「自分がおしゃれと思うものを着る」と「おしゃれに興味ない」の差はあまりに大きい。結果着るのがスカルだとしても、だ。市川は前者。

 

・なんたらペッパーのWEB予約に感激してる市川、これ作者の魂が多分に入ってないか。知らんけど。

 

・会話フローチャート。あんなもんさっさと要望だけ伝えて目を瞑って寝たふりしてりゃ終わりだと思ってるのだが、やっぱ陰キャ扱いなんかね。どうでもいいか。情報処理部辞めてたんですね市川。受験に向けての塾通いによってだろうか。結果一ミリも活かされなかったなこの設定。最初の二人乗りのとき(2巻頭)はどっかで一話くらい使うのかと思ってた記憶。そこにある情報すべてをしがんでた時期だ。

 

・美容院。仕上がりが諏訪さんっぽく見えたが、目の死に具合と分け目だけですね共通点。分け目の位置に関しちゃ微妙に違うし。

 

・学校。首の後ろを愛撫すな。猫じゃないんだぞ。P6真ん中の市川の弁明を聞く山田グループ、反応がそれぞれで全然違っていいですね。バヤシコは刈上げのぼっちゃん感を萌子は市川が色気づいたことをそれぞれ面白がっている、山田は新しい市川の姿にときめいて、吉田は美容師志望らしく原因を考えてる感じですかね。

 

・一言もしゃべれずワックスをカツアゲされた足立、かわいそ……。それはそれとして無言でちょっと嫌がってる表情がだいぶおもしろいなこれ。このコマ以降も全然出してもらえないしさ。

 

・セットしてあげる吉田さん、仕上がりはともかくとして超やさしい。仕上がりはともかくとしてっつってんだろ。致命的にセンスがズレてるとか言うんじゃない。彼女は本気なんだ。ところで、これでセットしてるのが吉田さんじゃなくて萌子とか原さんだったら、彼ピ(彼ピじゃない)の髪を弄られてる山田の表情も殺し屋のそれになってたんじゃないかと思うんですけどどうでしょう。なんというか、色恋に興味ないと公言してる吉田さん相手だからこその、この残念さと羨ましさが混じった表情のような気がする。P7左の無言のコマの話ね。

 

・別の女の趣味に染められた男を、自分好みに再構成する山田。最初からお前がしろよ。萌子と吉田さんの眼もそう語っているような気がする。ところでリボンを付けてるコマの吉田&萌子、身長差がすげぇグッとくるけどこんな差ぁあったっけ?ってなったが、萌子は机に座ってんのね。吉田さんがやたら高く見えた。

 

・半年前では考えられない光景。10月くらいとなると、山田とは仲が良くなり始めたくらいで、しかしほとんどお昼の図書室でのやり取りだけだった時期かね。確かに教室で、それも山田グループとのコミュニケーションを取ってるってのは考えにくいだろう。もうちょっと男子勢とも仲が良くなればいいね。

 

・小林ちひろの憂鬱。クラス替えが明言されたのって初? あるのかないのかわかんなくて、受験もあるし2年→3年はないかなって考えてた覚えがある。吉田さんもどこか不安そうな顔をしてるのがいいね。山田グループで行くと、4人とも同じクラスってのは普通に考えればなかなか考えづらいし、不安になる気持ちもわかる。部活もなにもバラバラだしね。それはそうとリボン装備萌子、どこぞのお嬢さんみたいで脳がバグる。なんか優しい表情してるしよ。山田グループが不良グループかどうかは、4の3で制服を着崩し(リボン装着無し)、うち一人は校則違反上等だということを加味すると、考える余地もなさそうですね。ちなみに校則違反とは学校へのお菓子の持ち込み&図書室での飲食です。しょーもねぇ!

 

・市川とのことを不安がる山田。クラスの真ん中でイチャつくな。「ぐ」じゃないよ。隠す気ないだろ。「大丈夫」云々は冒頭に書いてるので省略。市川も不安だとは思います。

 

・結果、いつもどおりの市川。美容院に行った意味……はまあいいか。ここで吉田さんにもお礼を言える市川、いい子。照れ隠しで大したことねぇよ的な顔をしてる吉田さんもだが。

 

・原稿紛失! これはまずいですね。いや本当にまずい。冒頭に書いた通り、原稿は学校が用意したものである以上現実的にはなんとでもなるのだけど、「失敗した!」という焦りと動揺は解決したとしても晴れることはない。

 

・ホントにどうでもいい話。この失敗に気づく直前の、整列してるコマ。背の順のようにも見えるけど個人的には出席番号順説を推したい。足立→石室→市川の順。「わからんけど……」のモノローグだと男女一列になってるし。市川の後ろに誰もいないのは漫画的表現としてください。

 

・はいここまで。未だに更新前にはドキドキしてる私だが、次回の更新は輪をかけて動揺してそうだ。